第〇服 安赦帰堺(弐)
第〇服 安赦帰堺(弐)
利休の切腹より三年が経った。
妹婿の四郎左衛門――竹田宗淳、庵号を
ようやく勘気の解けた秀吉は、
堺にも既に赦免の話は届いていて、店の者らもいつ
「
伯父の
「
康隆は利休の実兄であり、利休の死に際して
「四郎右衛門さま……」
奥から妻・
「いつまでも立ったままでもなんですから、中へ」
道通が気を利かせて中へ誘う。気付けば、近所の人々も何事かと顔を出していた。追っ付け、天王寺屋の津田家や
「中でゆっくりいたしましょう」
「
深々と頭を下げる
「
淋しげに織部が笑う。
謁見すれば父を殺した男としての憎しみを秀吉に感じるかと思っていた
(小さくなられた……)
実際に秀吉は小さくなっていた訳ではない。
「紹安よ、再び余に仕えい」
「太閤さま、その儀は何卒、御容赦願いたく」
「紹安、付いてくるがよい」
と言って再び歩き始める。
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