第三百十一話 空と特殊任務②
「結論から言うと、キミたち天使班には特例としてプロヒーローチームに加わって、とある特殊任務に当たって欲しい」
と、言ってくる初老の男性。
それに対し、真っ先に言葉を返したのは時雨である。
「ちょっと待って下さい。特殊任務って、まさかあの怪人の巣窟になっている離島を叩くっていうやつですか?」
「その通りだよ。何か問題でも?」
「問題だらけですよ! あの任務は精鋭だけで行うんじゃなかったんですか?」
「ふむ、どうやら認識に齟齬があるようだね」
と、時雨の言葉を飲みこむように何度か頷く初老の男性。
そんな彼は時雨へと言葉を続ける。
「まず空くんに……あぁ、そういえばヒーローネームとスーツを考えなければならないね。と、話は逸れたが空くんにかんしては問題ないだろう?」
「それはまぁ、はい。個人的な見解ですが……兄さん一人でも離島の制圧は出来ると考えていますから」
「はは、それは頼もしいことだ。さてさて、続く残り二人の実力についてだが、こちらも精鋭といって申し分ない才覚の持ち主だと思うが?」
「それはそうですが……」
「それに彼等は学生ヒーローだ。法律的にも参加して何も問題はないよ」
「うぐっ……」
と、珍しいことに完全に丸め込まれる時雨。
ところで、空としてここらでいい加減聞いておきたいことがある。
なんせ、空はプロヒーローである前に、天使班の班長なのだから。
「あの、離島とか特殊任務って何ですか? 話がいまいち掴めないんですけど」
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