第三百十話 空と特殊任務

 こんなにあっさり決まっていいのか。

 空が思わずそう思う程に、ぽんぽんと空のプロヒーロー入りが決まった数十分後。

 

「キミがプロヒーローになる手続きはこんなところだ。心構えなどは、エンジェルが教えてくれるだろう」


 と、言ってくるのは初老の男性である。

 彼は「さて」と一言、今度は天使班の全員を見ながら、ゆっくりと続けてくる。


「私が空くんだけでなく、天使班を呼んだ理由がわかるかな?」


「あ、あの!」


 と、手を上げるのは胡桃である。

 彼女は初老の男性へと、どこか興奮した様子で続ける。


「ひょっとして、あたし達もプロヒーローになれるんですか?」


「ふむ、どうしてそう思ったのかな?」


「あたしが強いからです!」


 シンプルイズベスト。

 胡桃の答はまさにそれを体現していた。

 さて、それに対する初老の男性の言葉はというと。


「残念だが、空くん以外のプロヒーロー入りは考えてはいないよ……ただし、梓くんと一色くんの強さを認めているという点では、キミが言っていることは正しい」


 と、初老の男性は胡桃へと、空にも関係のある大ニュースを告げるのだった。


「結論から言うと、キミたち天使班には特例としてプロヒーローチームに加わって、とある特殊任務に当たって欲しい」

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