レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる〜二つの世界を繋げるチートスキル『道具箱』でどんどんレベルアップしていたら、美少女だらけの最強ハーレムパーティ結成していた件〜
第三百八話 空はヒーロー協会にお呼ばれされてみる
第三百八話 空はヒーロー協会にお呼ばれされてみる
さて、時は翌日。
空にとっては運命の日。
現在、空達天使班のメンバーは、ヒーロー協会の応接室へとやってきていた。
「すごい! あたし達、今本当にヒーロー協会のビルの中に居るんだ! 本当のヒーローになったみたいなんだからね!」
「おまえ、あまり騒ぐのはやめなさいな……みっともない」
と、順に聞こえてくる胡桃と氷菓の声。
けれど、空としては正直そちらに意識を割いている余裕がない。
なんせ。
(非合法ヒーローは犯罪……バレたらまずい。でももうばれてる……うぅ、死刑宣告を受ける前って、こういう気分なのかな)
昨夜から今に至るまで、空が考えるのはそのことばかりだ。
おかげさまで、情けないことだが空は昨夜寝れなかったのだから。
(まず、何が悪かったか考えてみよう。いや、非合法ヒーローをしたこと自体が悪いんだけど、あの場合は仕方なかったし、その時々の最善を選んでいたはず……つまり)
何が悪かったのだろうか。
もはや思考のループである。
と、その時。
「兄さん……さっきから、窓から景色を眺めながら何をぶつぶつ言っているんですか?」
真後ろから聞こえてくる時雨の声。
空が振り返ると、彼女はため息交じりに空へと続けてくる。
「正直かなり怖いですよ……やめてください」
「え、あ」
「なんですか、その顔は……せっかくなんですから、胡桃さんみたいに楽しんだらどうですか? ここヒーロー協会はみんなの憧れですよ」
と、パンフレットを渡してくる時雨。
そんな彼女は「むふぅ」っと言った様子で、更に空へと言ってくる。
「見てください、このパンフレット……わたしが表紙なんですよ」
「え、あ」
「どうですか?」
「う、え?」
「兄さん……頭がおかしくなったんですか?」
「う、うん! あ、いや……そうじゃなくて」
「はぁ……ダメですねこれは、重症です。兄さん、少し落ち着いてください」
と、手を握ってきてくれる時雨。
彼女はそのままきゅっと手を握ってきながら、空へと言葉を続けてくる。
「おおかた非合法ヒーロー活動のことを気にしているのでしょうが、そんなのは考えるだけ無駄ですよ。よく考えてみてください……言い方はアレですが、そんなことでわざわざヒーロー協会に呼ばれると思いますか?」
「え……」
そういえばそうだ。
どうして、そのことに考えが至らなかったのか。
考えてみれば、不自然な点は他にもある。
空だけでなく、天使班が呼ばれいてる理由はなんなのか。
と、その時。
「失礼、お待たせしたね」
ノックと共に、そんな初老の男性の声が聞こえてくるのだった。
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