第二百八十四話 空と氷菓と狐娘③
「こいつはおまえの何なのかしらぁ?」
と、空へと言ってくる氷菓。
それに対する答えは決まっている。
空にとっての大事な仲間。
いなくてはならない大切な存在だ。
しかし、空がそんな風に答えるよりも先に。
「シャーリィはシャーリィだ!」
と、空と氷菓の間に割り込んで来るシャーリィ。
彼女はどこか敵意を纏った雰囲気で、氷菓へと続けて言う。
「おまえこそなんだ! なんだかおまえ、ピリピリする! 危ない感じがするぞ!」
「あらそう、私を見てそう感じるの? 動物的な勘ってやつかしらぁ」
「?」
「おまえごとき、私がその気になればいつでも氷漬けの狐の置物にできるってことよぉ」
「く、クー! こいつ怖い! クーも近づいちゃだめだ! 危険なんだ! なんだか身体がピリピリする……ほら!」
と、自らの尻尾を見せてくるシャーリィ。
見ると、その尻尾は見事に毛が逆立っており……もっふもふだ。
まぁそれはともかく。
「大丈夫だよ、シャーリィ。氷菓さんはぶっ飛んでるところもあるし、確かに時々やばいことするけど、ちゃんと最後の一線はわきまえてる人だから」
最後の一線までは、容易く突き進むのが問題なのだが。
「とりあえず紹介しますよ。氷菓さんもあんまりからかわないでください……シャーリィは見ての通り、純粋なんで」
「はいはい、わかりましたぁ。おまえ、私にばかり怒るのね」
空はそんな氷菓の言葉を聞きながら、二人を近くのベンチへと誘導するのだった。
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