第百四十五話 空と胡桃は到着してみる
「へー、なるほどね。ここに来たかったんだ」
到着した先は、最近できたショッピングモールだった。
かなりの敷地面積に四階建て、入っている店の数は四百を超すとのこと。
(うちの学校は外出時も制服って決められてるから、服は特に興味ないけど。雑貨とか色々見てみたいし、僕も楽しめそうだな)
時雨も一度来てみたいと言っていたので、その分もしっかり見ておこう。
空がそんな事を考えたその時。
「その様子だと、あたしのチョイスに満足したみたいね!」
と、言ってくる胡桃。
彼女はドヤっとした様子の表情で空へと続けてくる。
「お礼に今日はしっかりと付き合ってもらうんだからね!」
「わかってるよ。もとから今日は、胡桃のためについてきたんだし」
「あたしの、ため? 空、今日は一日あたし専用……なの?」
「? そうだけど、何かおかしなこと言ったかな」
「っ! な、なんでもない! なんでもないんだからね!」
と、何故か頬を染めそっぽを向いて、入り口へ歩いていってしまう胡桃。
どうやら空は知らず知らずのうちに、また彼女を怒らせたに違いない。
(しょっぱなからこれか……やっぱり僕と胡桃って相性悪いな)
しかし、今日はせっかくのお出かけ日。
せっかく胡桃が誘ってくれたので、彼女のために頑張ってみよう。
(ネットによると――服を見てるときは似合うよって言って、荷物は持ってあげるんだったよね……あとはご飯を奢ってあげる、か)
本当にこんなので喜ぶのだろうか。
空はそんな疑問を胸に、胡桃の後を追いかけるのだった。
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