第百三話 空は胡桃を助けてみる
「あんた……なんでここに居るのよ」
と、言ってくるのは胡桃である。
彼女はよほど怖い目にあったのか、蒼白な表情で続けて言ってくる。
「生徒はシェルターに入らないと、ダメなんだから、ね」
「冗談で言ってるのか知らないけど、それすごくブーメランだよ」
「っ……いいから、なんでここに居るのか答えなさいよ!」
と、胡桃は聞いて来るが。
しかし、その答えは決まりきっている。
故に空は胡桃へとノータイムで答える。
「あんな状況だったら心配するに決まってるよね」
「へ?」
「僕のせいで胡桃を怒らせて、あんな別れ方して……胡桃がちゃんとシェルターに避難してるか気にするに決まってる」
「それで……なんで、こんなところに、来てるのよ……」
「各シェルターで行われた点呼で、胡桃と時雨がいないって騒がれたんだよ。時雨はいいとして、胡桃がいないのは明らかにおかしい」
「だ、から?」
「心配だったから、シェルターを抜け出してきた」
その後、空は怪人と遭遇しないよう校舎内を探していた。
すると時雨の異能が見えたので、まずは彼女と合流しようとしたというわけだ。
もっとも、こんなことになっているとは思わなかったが。
と、空が目の前の時雨を見た直後。
彼女は空達へ向けて、再び異能をぶつけてくるのだった。
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