第六十九話 空とボス部屋③
「でも一つ、注意してほしいことがあるんだ!」
と、言ってくるのはシャーリィである。
彼女は空の袖を掴みながら、さらに続けてくる。
「フロアマスターにはフロアマスターの。ボスにはボスの……そんな特別性があるんだ」
「特別性? ひょっとして、なにか特別な能力でも持ってるの?」
「そうだ、さすがクーだ!」
と、シャーリィはその特別性について説明してくれる。
それはこんな感じである。
フロアマスターやボスが持っている特別性。
それを簡潔にまとめると特殊能力だ。
例えば、通常ではありえない回復能力を持っていたり。
例えば、通常してこない範囲攻撃をしてきたり。
とまぁそんな感じらしい。
さらに言うなら、身体能力もボスやフロアマスターの方が高いとのこと。
けれど、その代わり超レアアイテムがドロップするようなのだ。
もっとも、こちらに関しては今の空はあまり興味がない。
(嬉しいは嬉しいけど、生きて帰れないと意味がないからね)
今は倒した後より、倒すことに全意識を集中しなければならない。
なぜならば。
「クー。扉を開く前に最後にもう一度だけ言わせてくれ……」
と、言ってくるシャーリィ。
彼女は空の服の裾を掴みながら続けてくる。
「スケルトンロードやスケルトンキングは、立派な最上位魔物だ。レベル2が戦っていい相手じゃないんだ。だから――」
「気をつけるよ。僕だってまだ死にたくないし、ここで僕が死んだらシャーリィをダンジョンの外まで戻せない」
だから絶対に勝つ。
空は覚悟を決め、シャーリィを通路に残しダンジョン最奥の扉――ボス部屋へと入っていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます