第六十八話 空とボス部屋②
「このダンジョンは知っての通り、蜘蛛と骨系の魔物ばっかりでる!」
と、言ってくるはシャーリィである。
彼女は真剣な様子で、さらに続けてくる。
「特に骨系の魔物の出現率は、蜘蛛に比べて大分高い。でも、このダンジョンの魔物比率はそれだけじゃないんだ! 実は――」
「ひょっとして、ずっと前に討伐された第二階層のフロアマスターも」
「そうだ! 第二階層のフロアマスターはスケルトンウィザード。魔法を使ってくるスケルトンだったんだ!」
なるほど。
空はシャーリィが言いたいことが、なんとなくわかってきた。
彼女はつまり、こう言いたいに違いない。
「ボス部屋に居るのも骨系統の魔物の可能性が高い?」
シャーリィはそんな空の言葉に頷く。
そして、彼女はそのまま続けて言ってくる。
「スケルトンエリートやスケルトンウィザードより上位となると、存在しているのはスケルトンロードやスケルトンキング。あとはスケルトンワームっていうのが居るんだ!」
「その中でシャーリィが出て来そうだと思うのは?」
「断定はできない……でも、スケルトンワームは絶対にない! あいつは強すぎるし、ダンジョンに居ていいような大きさじゃないんだ!」
と、シャーリィはこのダンジョンの魔物系統を脳内で整理しているに違いない。
なにやら難しい顔をしながら、空へと言ってくる。
「さっき言ったスケルトンウィザードは、スケルトン以上スケルトンエリート以下の魔物なんだ! フロアマスターやボスはそういう基準のことが多いんだ!」
「つまり、スケルトンエリートより一個上の魔物が、この先で待ち受けてるってことだよね? それが――」
「スケルトンロードかスケルトンキングだ!」
シャーリィは続けて、それぞれの魔物の特徴をまとめてきてくれる。
それはこんな感じだ。
●スケルトンキング
簡潔に言うとスケルトンエリートの上位互換。両手剣を使い、猛烈な攻撃を仕掛けてくる接近戦特化のスケルトン。
●スケルトンロード
こちらはスケルトンウィザードの上位互換。遠距離から強烈な魔法を連射したり、召喚魔法を用いてくる遠距離特化のスケルトン。
(僕としては後者とは戦いたくないな。魔法戦の経験がなさすぎる)
けれど、先ほど言った通りフロアマスターはスケルトンウィザードだったのだ。
となると、ボスは法則的にスケルトンロードの可能性が高い様に思える。
(まぁ、こればっかりは行ってみないとわからないか)
と、空がそんな事を考えていると。
シャーリィが彼の袖をくいくい言ってくるのだった。
「でも一つ、注意してほしいことがあるんだ!」
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