第18話何!?書籍化作品を燃やす画像入りで酷評されたって!?

栗剥田(くりむいた)ゆう子「えーん、ス士郎さーん」


「ん?どうした?ワインと豆腐に旅をさせる馬鹿はいないよ」


「シクシク。実は…」


(吊るしたアンコウを捌く山岡ス士郎)


「アンコウってのは肋骨がなくてぐにょぐにょ、ヌルヌル、ニュルニュル、ビチョビチョして(君と一緒でね)、まな板に置いたんでは切れない。だからこうして水で膨らませて切るんだ」


「へえー、そうなのね。で、実は…」


「暗刻(あんこう)も一緒でドラはそれだけで三翻アップするし、海でも6図柄のアンコウは昔っから『止まんじゃねえ!クソが!』っておばちゃんたちが揃って台をバンバン殴ってさあ。パチ屋のスロットの『アンコウ(設定6)投入』も釣りだから。鍵穴を指で押さえたりね」


「へえー、そうなのね。で、実は…」


「何だって!?書籍化した作品を燃やすような画像入りであまぞーんで酷評されただって?!」


「ええ、そうなの…。金払ったから客だって…。酷い、酷いわ!」


「やれやれ、何でもかんでも☆で評価する日本人は滑稽だね。有名ブランド商品をありがたがるのとおんなじ。中身じゃなく名前をありがたがってんじゃあないの。じゃあ一番いいと思うフォアグラを用意してもらいましょう」


「え?フォアグラを…?」


「ラノベだよ。フォアグラって何を言ってんだ。それより君は書籍化してんの?」


「ええ、そうなの…。ネットでちょちょっと書いてたら、ほらあ」


「なるほど。これか。ペンネームの『クリ剥いたゆう子』ってのは…君か」


「ええ、そうなの…」


「こういうのはアンチがついてこそ本物ってところがあるからね。天ぷらは五感すべてを使って揚げるものなんだ」


「はい?」


「だからね。見てごらん。他にもこの酷評してる奴がレビューしてる作品は全部売れてるラノベばかりだろ」


「ホントだ…」


「野菜は土から抜けば死ぬんです」


「はい?」


「だから☆で低評価して、イラっとさせるようなことを書いてスッキリしてるんだ。ここで気にしてたらこいつの思うつぼだよ」


「そう言われるとなんだか気が楽になれたわあ。そうよね!『思うつぼ』よね!アンチはファンと一緒よね!」


「何言ってんだ。ウツボだよ。ウツボって言ったんだよ。三行前をよく見ろよ」


「(いや…、『思うつぼ』って言ってるじゃないの…)」


「ウツボのタタキだよ。誰かをタタキたいんだよ。こういう人は」


「なるほど!ウツボね!ウツボのタタキね!」


「そんなことよりゆう子。いいだろ?クリ剥こうぜ、はあはあ」


「ちょ、ちょっと!消されるわよ!」


「土鍋ぇー!すっぽん!」

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