第2話 出会い

俺がリョウコとレイコの家を出てどのくらい経っただろうか。何故か太陽は沈まないし、炎の悪魔からもらった力のせいか、俺は老けることがなかった。だから、時間の感覚があやふやになっていた。だが、電気街に赴けば、大体の時間は把握できた。なんやかんやで60年は過ぎていた。いつも通りに電気街でテレビを見ていると、その中で1人の少女を見かけた。

「こいつのネックレス、、、まさか、、、」

そのアイドルが着けていたネックレスの飾りは、俺が昔リョウコに渡したお守りによく似ていた。

「、、、行くか、、、」

俺はリョウコとレイコのその後を知りたくて、その人物に会うことにした。


「才華(さいか)に会わせてくれ」

俺は事務所の前まで来ていたが、警備員に止められていた。

「だめだだめだ、1人のファンのために彼女の時間を無駄にできない。彼女は忙しいんだ、行った行った!」

「違う、俺はファンじゃない。聞きたいことがあるだけだ」

「何を言っても無駄だ。さあ、早く、、、」

「何、どうしたの?まだお仕事の時間じゃないでしょ、、、」

1人の少女が目をこすりなから出てきた。

「あ、お前が才華だな」

「あ、ダメだよ入っちゃ、、、」

「いいよいいよ、ちょっとくらい。ええと、どうしたの?」

アイドル、才華は俺の話を聞いてくれるようだった。

「なあ、お前、そのネックレスはどこで手に入れた?」

「ああ、これね。このネックレスはお婆ちゃんからもらったお守りを使って作ってもらったの。いいでしょ?」

「ああ、それなんだが、これを見てくれ」

俺は懐からお守りの一部を取り出し、才華に見せた。

「嘘、それって、、、」

「どうしたの、才華ちゃん、そんな正体不明な男から早く離れて、、、」

「ガードマンさん、その人、きっと大丈夫な人だよ。だから中に入れて」

「え、でも、こんな奴は、、、」

「いいから!早く!」

「ああ、もう、仕方ないな。分かったよ」

俺は才華に案内されるまま、ある部屋に入った。

「ねえ、あなた煉太郎さんでしょ。お婆ちゃんから聞いたの」

「ああ、そうか。リョウコから聞いたんだな。それじゃあ、お前は、、、」

「リョウコさんの孫だよ。あなたはお婆ちゃんの命を救ってくれた恩人。だから何かお礼をしたいな」

正直俺はリョウコが無事に過ごせたことを知れただけで満足だった。

「いや、構わないさ、リョウコの安否が分かっただけでも、、、」

「あ、じゃあ、私からお願い!ガードマンになって!」

「は?」

「あなた、特別な力があって、とっても強いんでしょ!だから、お願い!」

俺は確かに居場所がなかった。これも何かの縁だし、、、

「ああ、いいだろう。その頼み、受けよう」

「わーい、ありがとう、煉太郎さん!これからよろしくね!」

俺は才華直々に彼女のガードマンに任命されるのだった。

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