第23章…大阪
3時間掛けて大阪へ着く
「おぉーー!来たぞー!大阪ー!」
いつものように結衣ははしゃいでる
相変わらずだが
「おいおい、遊びに来たんじゃないからな?」
「わかってるって!
まだ夕方になってないでしょ?
翔を探すついでに食べ歩こうよ
今日はもともとデートだったんだよ?」
「そうだけどなー」
翔の居場所をいち早く見つけたい
その工場の仕事が終わる前に
「早く見つけたくないか?
なんのために大阪来たんだよ」
「わかってるって
でもとりあえず大阪の街を探検するところから」
「どこがわかってんだよ!
思いっきり遊ぼうとしてんだろ!」
俺は思わず結衣に怒鳴るように言うと
「あーもー空はばかだなー今焦ってもしょうがないってのに
あたしにだって考えあるんだってば!」
結衣は耳を塞ぎながら言う
「考え?」
「そ、今、3時半でしょ?
多分翔はお昼休憩もとって働いてると思うんだけど
夜に会うことになるでしょ?
それだと仕事終わったあとすぐ逃げられる可能性もある
だったら明日のお昼休憩狙って逃げられなくさせれば話し合えるでしょ?」
俺は「おぉ…」と納得してしまう
なるほど、お昼休憩で逃げたら仕事抜け出すことになるもんな
そして結衣は続ける
「んでさ、その次の日は日曜日でしょ?
多分翔、休みだと思うから
それを狙ってあたしはどうしてもやりたいことがあるんだよね」
「なに?」
「翔と千尋を会わせる」
俺はなぜか身震いがした
ずっと離れていたはずの2人が
また会うのは大丈夫なのか?
「じゃあとりあえず今日はデートしよー!」
結衣は無理矢理俺の腕を組んで歩く
うん、まあいいか
俺と結衣は大阪の街を歩いた
特に休む間も無くずっと歩いた
結衣は足遅いのにどうしてそんなに歩けるのか不思議なくらいだった
たこ焼きも食べてお好み焼きも食べて
あの名物の人形とも一緒に写真を撮った
色々歩いたはずなのにまだ知らないところがたくさんある
好奇心旺盛な結衣はこれでもかと言うくらいにはしゃいで笑っていた
うん、こんな彼女が居ると本当に楽しい
いつの間にか夜になる
もうだいぶ遅い時間だと思う
「ねえーそぉらぁ泊まるとことか決めてないよね?」
俺はまた結衣に任せきりにしていたせいか何も考えていなかった
「そうだよなー」
もう、夜の9時だ
泊まるとこ…泊まるとこ…
俺は一生懸命考えた
ベンチみたいなところで俺らは座っている
結衣はクタクタに疲れているせいか俺の腕を組んでくっついている
……くそう
俺は今なら下心全開でも許される
結衣の胸がまた当たってるんだよな
そう思えば思うほどまたいつかの理性崩壊率が上がっていく
こんなに栄えてる街だ
俺が求めてるものがあるはず
………俺はラブホを探した
「結衣、とりあえず歩こうな?」
俺は結衣を起こす
「ん?どっかいいとこある?」
お前は一体何を探してるんだと言いたくなるが
まだ男の理性崩壊率は85パーセントだ
残りの15パーセントでなんとか結衣を優しく引っ張っている
「いいところ探すから」
「うん、早く休みたい」
早くという言葉に俺は勝手に妄想が膨らむ
は、早くだと??
何を早くするんだ結衣!
もう頭の中がエロエロだった
男の理性崩壊率90パーセント
あぁー早く楽にさせてあげたいな
結衣の手を引っ張る俺だがもうラブホしか見えていない
おう、見つけたさ
まだラブホを利用した事がない
どういうものか見てみたいという好奇心が俺を動かす
ラブホで結衣と…
「満喫みっけ!
お金ないしここはいろ?」
結衣が指差したところは
漫画喫茶だった
ゆ、結衣??
結衣は俺を満喫の方へ押し出す
ああああーーー!!
漫画喫茶に吸い込まれていく
たどり着いたところは漫画喫茶
こ、こんなはずじゃ
「空、着替え持ってきた?」
「え、ないよ?」
「えー!きったな!あたし持ってきたよ?」
「お前ちゃっかり持ってんじゃねーよ!」
ラブホをお預けされた俺だった
結衣はシャワーを浴びてその後すぐに寝てしまった
なんてこった……
ちなみに漫喫には洗濯機と乾燥機があったためそこで洗濯をした
あと服も借りれるらしい
最近の漫喫は優しいな
そして次の日
俺は8時に起きる
結衣はまだ寝ている
さすがに早いかと思ったがそうは言ってられない
「結衣、起きろ」
俺は結衣の髪をわしゃわしゃする
ブン!!
「うわ!」
結衣は思い切り手で払いのけた
なんてやつだ…せっかく起こそうとしたのに…
「早く起きねーと翔のとこ行けないぞ?」
「………」
ね、寝た??
俺は結衣の体を大きく揺する
「チッ!」
思い切り舌打ちをする結衣
寝起き悪過ぎだろ……
「起きるぞ結衣!」
「ねえーまじうざい死○」
プチンッ
俺はさすがにキレて結衣も寝起き機嫌悪いから逆ギレで喧嘩をした
しかし後から結衣が謝ってきたので良しとする
いや、こんなところで体力使ってる場合じゃないんだよな
満喫を出る
「ねむい」
結衣は目をこすりながら歩いていく
「眠い場合じゃねーぞ
今日が1番大事だからな」
結衣から大阪に行くと言っていたけど
俺の方が気合い入っている
千尋のためだ
昨日結衣が言ったプランをそのまま実行しようとしている
正直ここまで結衣が考えてたとは思っていなかったからこんなにゆっくり出来る時間がまた更に俺にやる気を出させる
「翔がいる工場までどのくらいかかる?」
結衣が俺に聞く
「1時間もかからない」
今日、翔に突撃する
早速電車に乗り
駅降りてからだいぶ歩く
今は便利な時代で住所を知っていればケータイで場所をナビで記してくれる
だから道に迷わず来れた
翔がいるであろう工場にたどり着く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます