第人話 登場人物・魔物3

アルトリヱス(強化形態1)

銘骸羅の放つ瘴気を逆手にとって、カルシウム素材のフレームを加工した強化状態。

耐荷重性能、耐腐食性能は既存の金属素材から群を抜いたものとなっており、もとの合金製フレームから大幅に強化された。表面は銀色の光沢があるが、灰色が掛かっている。

さらに「聖剣の拒絶」による銘骸羅の魔力強奪作戦の結果、聖剣に膨大な魔力が宿った。元は眩い虹色の光だったが、白色光の部分に紫が混ざった状態となり、「聖剣光波」が使えるようになった。ただし光波なのに海の上を跳弾するなど癖がかなり強く、勇者曰く「若干使いにくい」とのこと。一応、光波によって聖剣の実質的なリーチはかなり伸びた。



ケイ・ユカワ(湯川景)

FORCE沖縄分室に所属している銘骸羅専属の研究者。過去、セレン・キュリイが沖縄分室に所属だったときの同僚および良き友。切り揃えられた黒髪に長身の女性。ただ彼女の英語口調が若干硬く、声も少し低いため、「緊張した少年が話しているように聞こえる」と言われているとかいないとか。

銘骸羅の魔法「遠距離腐食テレコロオジョン」のメカニズムはセレンが解析したが、生態はケイが調査し、分裂・統合現象の目的を考察していた。

感極まると人に抱き着く。


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名無しノーネーム

登録コード(発見日―通し番号)のみついているが、脅威度が低いためにコードネームのない魔物の総称。日本には同種のノーネームが群れていて、四本の腕を使って這いずって動く。腐食に耐えられるらしい。さらに銘骸羅の捕食から逃げ回るために環境の変化に目ざとい。ただ外部への脅威には至らないため、ネームドターゲットにはなっていない。

アルトリヱスを襲撃したところを迎撃された。



銘骸羅

日本を破滅に追いやった巨大な魔物にして、ネームドターゲット第一種の魔物。通称“骸王”。ヘドロのような不定形の肉体の表面に、無数の骸をまとう。

関東平野全体を覆うほどに大きく、明らかに臓器などが見当たらないため、「実質的な致命傷が存在しない」というシンプルかつ凶悪な強みを持つ魔物。体から常に魔力を含んだガス「瘴気」をばらまき、離れた物も高速で腐食するため、生物や金属兵器は接近できない。このガスを利用することで、骸の破片を散弾のように撃ちだす。また強大な膂力の持ち主で、ビルを根元からへし折ってハンマーのように振り下ろすことも。

金属が好物なのか、日本を滅ぼした際は鉄道インフラをはじめとする金属製の物体を飲み込んでいった。また、下水道を介しても移動する。

新鮮な金属に簡単につられる。そのため、火薬なしの金属砲弾をひたすら撃ち込むという方法でヘイトコントロール(というか、釣り)ができる。

十年以上もの間、日本に巣食っていたが、アルトリヱスとBMプロジェクト、ケイによってついに討伐・完全に消滅した。



銘骸羅(骸の巨人)

戦闘中の銘骸羅が取る形態変化。四本の腕を地面についた一つ目の巨人を形成して、大規模な魔法を放つ。目は紫色の光が宿っている。

形は巨人だが、立ち回りは「砲台」の方が近い。放たれる紫色の閃光は規模が大きく、人間の走力では回避不能レベル。また、掠めただけでも金属の腐食が進む。さらに、通常の魔法の行使には「溜め」の時間があるが、その溜めが著しく速く終わるのも特徴。

腕を振って銘骸羅の分裂個体を投げつけ、それを自爆させるという恐ろしい攻撃も時折行う。「手榴弾」と例えられていたが、規模と威力でいえばはるかに凶悪であり、硬質な骸の破片と、すべてを切断する紫の閃光、腐食性のガスをまき散らす。

アルトリヱスと対敵した巨人の大きさは推定300メートルにも及ぶ。



銘骸羅(心臓)

「骸の魔物」とも。

きっとどこかにある、銘骸羅の本体。元は銘骸羅という魔物の行動原理から推察された理論的仮説または希望的観測としての「本体」だったが、テルル考案の作戦により、まさにその位置が特定される。

矮小な骸の内側に、それは秘められている。


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地下神殿

骸の魔物がいた、柱が整然と並ぶ荘厳な空間。ケイは(正式名称は知らないが)存在は知っていた。

正式名称は首都圏外郭放水路。洪水を防止するための巨大な地下貯水槽施設。



サーターアンダギー

セレンが食べそびれた沖縄の名物。「すんごいお腹にたまる食べ物」と評した。

おいしい。

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