いとしさの灰

鈴ノ木 鈴ノ子

いとしさのはい

線香に火をつける。


そして、香炉へと置き、両手を合わせて冥福を祈る。


煙が一筋立ち上り、香りが優しく漂うと、線煙の姿は消えてゆく


煙が溶け終わる頃、再び日常が訪れる。


そして香炉には、故人を偲ぶ、いとしさの灰がうっすらと積もってゆく。


繰り返される日常に、ゆっくりと積もってゆく。


それが、きっと供養ということなのだろう。

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いとしさの灰 鈴ノ木 鈴ノ子 @suzunokisuzunoki

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