第10話 侑名が捕虜を調教すると?

「これはどういう事ですか?説明をお願いします、ユウナ様。」

 セレスは変わり果てたレックス君(元魔王軍の四天王)を見ながら言った。


「説明…か。訳あって、すべての女性に逆らえないドMな青年になった。」

 と説明した。


「ユウナ様、説明になっていません。奴はすべてをあんなに拒否していたではありませんか?何をしたのか?を聞いているのです。」

 セレスがしつこい。真面目だな~。


「怒らないと約束できますか?セレス。」私は事前に約束を取り付ける。


「約束いたします。捕虜の拷問方法であなたには文句を言いません。」

 どうしても聞きたいムッツリスケベの戦士に、


「レックス君の男性器を喜ばして、私の体に入れようとしたん…。」

 私は丁寧に、分かりやすく説明している途中に…。


「死ね!汚らわしい変態の娼婦め!」セレスが剣を抜いて襲ってきた。


私は剣を杖で受け流しながら…

「嘘つきじゃん!しかも、切りかかるとか酷いよ!セレス!」


「問答無用!お前のような汚れた存在をワタクシは許さない!」

(自分の体でも無いのにキレるのおかしくない?)


「はぁ~。セレスちゃんを呼ぶか。」

 私は仕方ないから、セレスから剣を取り上げる事にした。


「死ね!汚れたモンスターめ!」(その扱い、ひどくない?)


「甘いよ!セレス!」そう言うと剣を杖ではじき飛ばした。


「くそ!かくなる上は!」雷神の槍を持ったセレス。

「雷神の力で焼き付くす!」振りかざした時に、


「ダメだよ~。そんなことしちゃ~。」

 セレスちゃんが出てきて攻撃を止めてしまった。


「セレスちゃん。助かったよ。」私はそう話すと、


「いっぱい遊んでくれた、お礼だよ~。」セレスちゃんは答えた。


そのあと、セレスちゃんに、なんでセレスがこんなに性に異常な反応をするか聞いていた。


「それはね。私の母がだらしない女性だったの~。男をとっかえひっかえして毎日、家でいっぱいしてたから、嫌悪感が強いみたい。」

 セレスちゃんは自分の過去を話してくれた。


「ありがとう。辛い思い出を話してくれて。」


「私は戦えたらなんでもいいんだ。だから、ユウナ様は私の一番の友達。」

(戦闘狂の別人格は槍の戦いたい気持ちとリンクして出てくるのか。)


こちらにも攻められた、

「ユウナちゃん…酷いよ、あたし、初めてだったんだよ。」

 エミリアは泣き始めた。


「大丈夫だよ。エミリアちゃん。彼は入れる前に果てた腰抜けだったから。」

 行為はしていないと弁明したが、


「そんなこと言ってないよ~。なんでそんな事するの?」

 半べそかきながら、聞いてくる。(ムッツリスケベだな。)


「この体は子を作るのに最も適している。そんな女の感度を知りたいのは普通だろう?お前も私の体で好きなだけ楽しむといい。なかなか良い体だぞ?」

(これだから最近の若い女は…。)


「エッチなユウナちゃんなんか、大っきらい!」拗ねてしまった。


さてと、こんなムッツリ達は放っておいて、勇者様に会いに行きますか。


「おい!レックス君。連れていけ!」新しく仲間にした下僕に言うと、


「はい!ご主人様!」お前は素直で良い子だな。なでなで…。


下僕のレックス君はやはり勇者様の居場所を知っていた。


「レックス君はなぜ勇者様を監禁していたんだ?答えろ!」


「はい!簡単な話です。弱いからです。もし殺して、次に強力な勇者が登場したら、魔王様を煩わせてしまいます。」

 レックス君が丁寧に説明してくれるが、


「おい!レックス!発言に気を付けろ!魔王だ!様はいらないだろ?」

 私は失言する度にレックス君を恫喝する。


「ご主人様!申し訳ありません!どうか、私を見捨てないでください…。」

 レックス君が不適切な発言、不祥事を起こす度にこうして調教している。


「分かれば良いんだよ。キツいことを言ってすまなかった。」なでなで


「ご主人様~。ありがたき幸せ~。」レックス君は嬉しそうだ。


その奇妙な光景を見ているエミリアは、

「セレスお姉ちゃん、あんなあたしの姿、見たくないよ~。」


「あれも愛だよ~?好きには色々あるんだよ?エミリア様。」

 槍を持っているので、彼女はセレスちゃんのままだ


「そうだね。お姉ちゃんが言うなら間違えはないからね。」

 セレスお姉ちゃんは絶大な信頼感がある。


「着きました。ご主人様。」


「よくやった。褒美に屈んで私の下着を見ても構わないぞ。パンチラだ。」


「ありがたき幸せ~。」そう言うと、

 レックス君は屈んで私の際どい膝上のラインを見て喜んでいた。


「ユウナちゃん!あたしの体で変な事しないで!もう、体を返して!」

 エミリアはメチャクチャ怒っている。


「穿かない手もあるが、レックス君はうい奴だ、失神してしまうからな。」

 そうだ、私は変態なのだ。


「もういいです。それ以上は止めてください。」エミリアの心が折れた。


監禁していた部屋の扉を開けると、子供が泣いていた。

「あの方が勇者様です。」レックス君が答えた。


(いや。ただの子供じゃん。激弱決定だよ。)

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