第5話 魔王軍、四天王の実力
セレスが目を覚ました。
「体、大丈夫?ごめんね、攻撃をして。」私は謝った。
「いえ、ユウナ様、助かりました。ワタクシは自分の中にいる奴を抑える事ができませんでしたから。」セレスは謝罪してきた。
「お二人とも、無事で良かったです。本当に全力で戦い始めた時はヒヤヒヤしましたよ。」エミリアは胸を撫で下ろす。
「その槍は非常事態の場合のみで装備しようか。」私が言うと、
「分かりました。しばらくはこの剣で戦います。」
セレスは帯刀している、王国の剣を指して答えた。
「セレスが回復したら、洗礼の洞窟に出発しようか。」
私は魔王軍の手下に勇者の情報を聞くためにそうしたいと話すと、
「はい。分かりました。」二人は答えた。
洗礼の洞窟の近くに着いた私たち三人は魔王軍の群れに遭遇する。
「あの~。勇者様がどこにいるかぁ~、知りませんか?」
私は幹部っぽい奴に話しかけた。
「貴様は!情報は聞いている。相当強いらしいな。私は魔王軍の四天王の一人…。」語り出したので、
思いっきり杖でぶっ飛ばしてみた。
「貴様!この方はな四天王の一人…。」次はしたっぱが語り出したので、
こいつも杖で殴った。
「おのれ!我々、最強の魔王軍主力部隊を舐めているのか!」
(あっ、怒っちゃったよ。)
「ユウナ様、いきなり攻撃は卑怯なのでは?」セレスは真面目だな。
「セレス。コイツらは敵。戦いに卑怯は存在しないのだよ。」
謎の理論でセレスちゃんを諭す。
「フッフッフ、強い戦士だけはあるな。だが、大魔導師の私には力など無意味だ!何故なら私は魔王軍の四天王の一人…。」
無言で四天王のなんちゃらを私はぶっ飛ばしてあげた。
「貴様!せめて、この方に名を名乗らしてあげてくれ!」
したっぱに頼まれた。
「え~。やだ。」私は拒否した。
「もういい!こんな奴に語る名はない。わが秘術を喰らい、何もできずに死に逝くがいい。」(完全に怒っちゃったよ。ごめんね。)
「気を付けろ!何かしてくるぞ!」セレスは私たちに言ったが、
「もう、遅い!」四天王のなんちゃらは術を発動させたみたいだ。
あれ?なんも起きないよ?
でも、すぐに異変に気付いた。目の前に私とセレスがいるのだ。
私はエミリアの服を着ていた。
「フハハハ。どうだ。貧弱な魔導師になった気分は。」
四天王のなんちゃらは話した。
「どういう事だ!」あれ?私がしゃべっている。
「私がいる!それにこの体はセレス様の体。」って事はエミリアちゃんか?
つまり、
私はエミリアになって、
エミリアはセレス、
セレスは私になったのか。
「フハハハ。魔法も力もないお前はただのザコだ。さあ、わが軍の恐ろしさを思い知らせてやろう。行け!お前たち。」
全軍攻撃体制に入るみたいだ。
「なにこれ!面白い!私はエミリアちゃんだ~。わーい。」
そうだ、非現実を楽しめる私は変態なのだ。
「ユウナ様。私の体でそんなに、はしゃがないでください。」叱られた。
「ユウナ様の体はなぜこんなに露出が多いのですか、スースーして気持ち悪いです。」私の中のJKセレス。可愛い。
「貴様は、今の状況が分かっていないのか?三人の中で最弱の体に入っているんだぞ。」四天王のなんちゃらが何か言っている。
私はその勘違いを正してやった、
「お前はバカだな。クソ四天王さんよぉ~。戦える人間を二人から三人に増やすなんて、バカ過ぎだよ~。」敵に挑発をする。
「ユウナ様!私の体でそんなしゃべり方を止めてください!それにセレス様の体と言えど、私は剣術を使えませんよ!」エミリアは小心者だ。
「大丈夫だよ。エミリアちゃん。槍を持て、あとは槍に身をまかせろ!」
私はそう言うと、槍を持たせた。
「セレスは大丈夫だよね。最強の私の体なんだから…。」
「はい!力がみなぎってきます。これならワタクシの体より早く動けます!」
多数の武術を持っている戦士のセレスは何も問題ない。
早速、セレスの体から槍の主が出てきて、
「ユウナ様~。お呼びですかぁ~。」セレスの中の槍の主が話し掛けてきた。
「エミリアちゃん。好きなだけ暴れていいよ。許す!」私が話すと、
「りょうか~い。この数、楽しそうだなぁ~。」エミリアはノリノリだ。
「こんなワタクシを近くで見るのはショックですが…。致し方ありません!」
(私の体のセレスちゃんってカッコ良すぎでしょ。あと、ポニテが可愛い。)
「じゃあ、ザコはまかせたね!二人とも!私はこの偉そうなのを倒すから。」
私は自称大魔導師で四天王のあれと戦うことにした。
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