19ですわ

募集兵の 採用試験当日


「なかなかの数ですわ 今日1日で決めれますかしら?」

「おおよそでいいんじゃ 兵の仕事といっても 色々ある 剣が上手いだけではないからの キチンと動けるかどうかだけの判断でよかろう あとは 少しずつ どれに向いておるか確認していけばよい」

「そうですね では参りましょう」


みんなの試験をやっているなか

「ん?」

「どうした?」

「これ………」

「え!」

「そうよね?」

「ぽいな」

「なんじゃ!」

「お祖父様 次の方ですが お名前が」

「お! 」

「オスカー カサンドラ」

「兄上だな」




「次!オスカーカサンドラ」

「はい!」



オスカー様が此方に向かって 一礼

「オスカー様………」

「後で 事情を聞いてみるか 嫌がらせではないようだし」





「それまで!次!………」



ユアンがオスカーの方へ

「兄上!」

「やぁ ユアン!元気そうだな」

「兄上は 少しお痩せになりましたか?」

「そうだな それよりお前が此処にいて 驚いた」

「あぁ アイリスの副官として やってるから」

「王子のお前が?」

「王宮を出て 国内の現状を見て見たかったのです アイリスが辺境伯として赴任するのについてきました」

「アイリスの事はみなが噂していたので 聞いていたんだが お前までいるとはな」

「俺だけじゃなくて 元宰相や元帥も居ますよ? 」

「何!ん―失敗したか ハハハ」

「兄上こそ 何故兵の採用試験に?」

「ジャネットと二人でずっと歩いて 隣国にでも行って仕事を見つけようかと思ってたんだ そしたら 国境にはまだ距離がありそうな所で その隣国の奴等に殺されそうになって 今思えば あれは父上がつけてくださっていたのだろう どことからか 騎士が数人出て来て 俺たち二人を救ってくれてな」

「襲われたのですか!お怪我は?ジャネットも無事なのですか?」

「あぁ二人とも無事だ そんなこともあったから 隣国に行くのはやめて 恥をかくのは承知で この採用試験に応募したんだ」

「いや 兄上が来てくださったら 助かります」

「ユアン そう言ってくれると 少し気が楽になる アイリスや元帥もいるのかい?」

「ええ もうすぐ休憩するので セバスチャン」

「はい」

「兄上にお茶を」

「畏まりました オスカー様 こちらに」

「様はいらないよ ぼくは王室から除名されてるからね」

「オスカー様 わたくしからしたら それはそれ で ございます どうぞ」

「ユアン なかなかな 執事だね」

「そうでしょ ちょっとまっててくださいね」




「セバスチャンといったか」

「はい 代々この辺境伯家に使えております」

「そうか アイリス ユアンみんな元気にやってそうだな」

「はい 皆様日々活動的に過ごされております」

「そうか 良かった みな 元気なのか」

「こちらを どうぞ 喉が渇いておられましょう」

「あぁ ありがたい いただこう」

「はい ごゆるりと」




暫くして 休憩をとった3人が歩いてくる

「オスカー!」

「やあアイリス! 元帥様もお久しぶりです」

「オスカー殿 元気にはしとったようだの」

「はい 九死に一生をえました ですが いきております」

「なにがあった はなせ」

「はい」

オスカーは城を出てからの事を 軽くつまんで話 隣国の兵士に殺されそうになったことを話した

「ムムム!許せん!こちらから 開戦じゃ!」

「オスカー 大変だったわね そう 色々あったのね ジャネットはどこにいるの?」

「あぁ 宿で留守番してるよ」

「じゃあ 館に泊まればいいわ 」

「いや アイリスそれはダメだよ 僕はもう王子では無いことを充分自覚している そんな事は出来ないよ」

「何を言っているの?此処にいるのは 殺されそうになった うちの採用試験を受けにきてくれた 知り合いの……幼なじみのオスカーよ ただそれだけよ」

「アイリスの言うとおり 兄上館にぜひ」

「いや それは……」

「アイリスが領主が良いと言っとるんじゃ 泊まるがいい ト―マスも歓迎すると思うぞ」

「ねぇ お祖父様もそう言ってるわ オスカー」

「では お言葉に甘えよう ジャネットを…

「セバスチャン ジャネットを館に連れてきてくれるかしら」

「畏まりました 宿の名前を伺っても」

「あぁ 小鹿亭」

「畏まりました では失礼いたします」

「ありがとう 頼む」



オスカー ホントに苦労したんでしょうね

ありがとうって すんなり言えてる


「オスカー殿 とりあえずここに滞在するで よいのだな?」

「はい ここは侵略されるかもですね 兵士になって ここを……守りたい 要だ から ジャネットも領民も怖い思いを させたくない それだけです 僕でお役に立てるなら 少しは王子時代の事が役に立つかもしれないから」

「よい心掛けじゃ」

「少しは 変われましたかね 僕も」

「充分じゃ アイリスわしは館に戻る 陛下に先に文を送り 王都から帰る際には移住する兵を全て連れて帰れるように 進言 お願いしておこう ユアンとオスカー殿と3人で 選考してくれ」

「わかりました」

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