13ですわ

ジェ―ムスお祖父様が 王宮から お帰りになりました


「陛下の許可はいただいた 出立する日を決めねばならんのぅ」

「まずは 先に兵達を送っておかねばな 辺境の部隊はいかがじゃ?」

「最低の人数しか 置いとらん 少し増員して 広範囲で 監視をせにゃならんぞ 最近隣国からの ちょっかいが 多いと報告がはいっとるからの」

「では 兵を移動させて どれくらいの期間があれば 着くのじゃろうか」


「うむ 命令を下して 出立するまでが 1週間じゃな 我らはそのあと 2日あれば 追い付くじゃろうて」

「そうか では 今日を入れて10日後に出立じゃ 準備せよ!」


「どれ ワシも帰って 準備しとくか」

「ユアン様の事も 陛下には許可をもらったのであろうな?」

「大丈夫じゃよ ワシらで教育すると 伝えてある」

「そうか それでは 準備に取りかかるか」

「では またな」

「おう 」






「やっと お嬢様のやりたいことが 出来ますね」

「そうね でも意外に短期間で決まっちゃったから 大丈夫かしら?」

「大丈夫ですよ お嬢様なら」

「女だてらに 辺境伯 お嫁の貰い手が無くなるわね ふふふ」

「そうでも ございませんよ」

「それならいいけど まぁこんなお転婆を貰ってくれるなんて人はそうそう居ないから チャンスは逃さない様にしなくっちゃ」


「チャンスは すぐ側にありますわよ~!」

「何言ってるのよ」


ジャスミンと 色々話ながら 準備を進めた







「お父様 少し宜しいでしょうか?」

「あぁ いいよ 掛けなさい お茶にしようかと思っていた所だ」

「そう思って ジャスミンお願いするわ」

「畏まりました」



お茶を一口のみ 喉が潤った所で

「話とはなんだね?」

「あの わたくしが 爵位をいただいて 辺境に赴くのに わたくしが行軍の準備を 指揮を出しておりませんが これは………?」

「あぁ 話していなかったね 辺境の軍備の強化が必要なのだよ そこで 元帥 あと お前にも副官が付くのでな その副官とで 準備を進めておるのだ」


「副官の方が付くとは 思っておりませんでしたが 当たり前ですわね?」

「だろう?」

「でも その方が 挨拶に来られるのではないでしょうか?」

そう言うと

「ゲホッ!ゲホッ!」

「お父様 大丈夫ですか?」

背中をさすってさしあげる

「ぁぁ 大丈夫だ むせてしまった」

おかしなお父様ね

「準備が忙しいから 挨拶は後で出立するときで良いと元帥が仰ってな 私もそれでいいと思ったので 許可を出したのだが アイリスはきて欲しかったかい?」

「いえ 副官の存在すら忘れておりましたから 大丈夫ですわ」

「そうかい でもアイリスがここから出ていってしまうんだね 成長が嬉しいのもあり 寂しいのも 混ざりあって なんとも言えない気分だよ」

「お父様 お嫁ではなく 爵位をいただいて辺境などと 他の方と違う道を選んでしまい 申し訳ございません」

「良いのだよ お前はずっと 耐えてきた それこそ 他の令嬢とは違う道を 歩ませてしまった こちらこそ すまなかった」

「お父様 …………では おあいこですわね!」

「……そうだな おあいこだな ふふふ」

お父様と 色々とお話しましたわ

ホントに小さい頃からのお話から今に至るまでの事をずっと 話しておりました



そんな事をお母様とも 弟とも 屋敷の使用人の人達とも沢山話しました


一つ気になっていることがありますの


ユアン様にお別れを言っていないのです


お城に お茶会のお誘いをしても 忙しいと断られて 嫌われているのでしょうか……



そして 出立の日が参りました

「ユアン様 ご挨拶が出来ないまま……お別れなんて これから会える時はいつくるか分からないのに……」


「アイリス様 副官とおっしゃる方が ご挨拶に参られておりますよ」


「ええ……」

「伯爵様!挨拶が遅れまして申し訳ございません!」






えっ?

この声

聞いたことある

小さい頃から

一緒に遊んで………



「ユアン様!」

「わたくし アイリス様の副官を勤めさせていただきます!…………よろしくね アイリス」

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