5でございますわ

「アイリス様 お嬢様?朝でございますよ」

「うぅ~ん!おはよう ジャスミン」

「お早うございます ご気分はいかがですか?お嬢様」

「うん しっかり眠ったから 気分は上々 嵐が来るまではね!ふふふ」

「そうでございますね!ふふふ」

二人で ほのぼの笑っていると

外が騒がしい

「あら お祖父様と叔父様がもういらしたのね ジャスミン早く着替えなくては!」

「そうですわね お嬢様」

慌てて二人は動き出す 他の侍女も呼んで

早く着替えがすんだ



扉を明け 玄関に向かう




「お早うございます お祖父様 叔父様」

「おぉ 朝早くからすまないな アイリス おはよう」

「いいえ お祖父様アイリスは嬉しく思いますわ」

「そう言ってくれると 助かるよ」

孫娘を抱きしめ 揃って食堂へ

「あの、父上 アイリス 叔父さんもいるんだよ?あ、アイリス~?」


将軍も元帥と姪には敵わないのである



「お早うございます お父様 お母様」

「おはよう アイリス」

「おはようアイリス お父様もお兄様もおはようございます アイリスの事でお手を煩わせて申し訳ありません!」

「なにを言う 王子だからと なんでも許されると思うなどと 陛下は 甘く育てられたみたいだの 気にするでない」

「そうだよ 可愛いアイリス 叔父様が王子を凝らしめてあげるからね」



叔父様 不敬罪は嫌でございますよ

「さぁ 朝食を食べながら お話をしましょう」

お父様の一声で 次々と食事が運ばれてくる お祖父様と叔父様が来られることを見越して 準備がしてあったのだろう 二人分が いやそれ以上が用意してあった


「それで どうなのだ?陛下にはお話できたのか?」

「はい 昨夜少し遅くはありましたが ユアン様が陛下に面会を申し出られまして」

「おぉ ユアン様か ならばユアン様もパーティーに来ておられたようだな」

「はい オスカー様がいい放った後にアイリスの側に来てくださり アイリスを励ましてくださっておりました その後 私と共に陛下に面会し 陛下からは 公爵家 アイリスに謝罪をいただきました あと ユアン様にオスカー様の調査を命じられ 結果が出次第沙汰を下されるとのことでした」

「そうか まぁまぁだな アイリスが欲しいと向こうから婚約を申し込んできておってバカ王子の後始末か ご苦労な事だな」


お父様は公爵だけれども 侯爵のお祖父様は元帥なので タメ口若しくは年上なので上から目線でお話になるのです

叔父様は将軍なので 基本タメ口なのですが お父様の方が学園の先輩 剣の腕はお父様の方が上ということで たまに敬語になります ふふ


「お祖父様 叔父様 お父様お母様 アイリスの お願いがあるのですが」


「ほう 珍しいな アイリスのお願いとは なんだ言ってみなさい じいで叶えられるなら聞いてやろう」


「ありがとうございます お祖父様 大好きですわ!」

「アイリス 私はなんでも叶えてやるぞ」

「お父様もありがとうございます 大好きですわお父様!」

「あ、あ、アイリス 私も………」

「アイリス?何のお願いなの?」

叔父様も大好きですわよ ちゃんと!



「4歳の時から 王子妃として振る舞ってまいりました 12年でございますわ この度破棄を言われましたのを わたくしは 悲しんでおりません むしろ 喜びの方が大きいのでございますわ オスカー様からの圧迫から解放されたのですもの そこで 少しここを離れたいと思います」

「ほう 悲しみより 喜びか!さすがは我が孫じゃな!行き先は決めておるのか?」

「お父様 嬉しいのは分かりますが 少しお待ち下さい!アイリス 本当に悲しくはないのね?未練もないの?王子妃なんて 誰でもなれるものでは ないのよ?」

「お母様 本当に嬉しいのです 同じ年の令嬢達が 好きなことをして 嬉しそうに話をされているのを わたくしはいつも 聞いておりました でもわたくしの好きなこと 本を読んだり 刺繍をしたり 確かに楽しいのですが ワクワクするような事ではないのです ワクワクするような事は今まで出来ませんでしたから お願いでございます どうか 辺境へ行くことをお許し下さいませ!」


今まで思っていたこと そう 分かっていても考えないようにしていたことを 保護者の面々に訴えた


「そうね 貴女の年頃と言えば 好きな殿方の話をしたり 食べ歩きや お買い物の話をしたりで 楽しかったわ いいわ わたくしは貴女を応援いたしましょう!」


「お母様 ありがとうございます!」


「うむ それもそうじゃ だがなせ辺境なのだ?」

「辺境故に 誰も居ないでしょ?確か 空白の辺境伯の地位と領地が お祖父様預りになっておられますよね?わたくしに 任命されてくださいませんか?」


「それは ならん!あまりにも唐突 実力のあるものしか 辺境伯などにはなれぬわ そもそもただの 伯爵ではないのだぞ?わかっておるのか?」


「勿論でございます 辺境伯は国境の守り 魔物や隣国からの攻撃をうけます 知力 武力 両方とも優れていなければいけませぬ 辺境伯ともなれば 宮廷での爵位も侯爵家に劣りません」

「口で言うのは容易い 実力もわからぬのに そなたにその爵位を預ける事は出来ぬ」


「それでは ご覧になっていただきたいですわ」


「アイリス!お祖父様に別のお願いをしなさい」

「叔父様 わたくしは やり遂げて見せます!」



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