4でございますわ
「どういう事だ!離せ!ジャネット 大丈夫か?」
「オスカー様~ 全然大丈夫じゃありません~キャ~はなしてぇ」
「貴様 ジャネットを離せ!」
「オスカー様 陛下よりご命令でございます!」
「父上?」
「オスカー様は今から 離宮にて謹慎 面会謝絶でございます!」
「何、 何故だ!私がなにをしたと言うのだ!あの バカ女が父上に泣きついて あらぬことばかり喚きたてたのだろう!」
「バカ女?何の事か分かりませぬが 陛下のご命令です その喚く女は 城から叩き出せ!」
「子爵令嬢だぞ!不敬な!」
「申し訳ございません 私ども近衛は伯爵以上の爵位でございますれば……」
「くそ アイリスめ!母上にいってこの国に居られなくしてやる!」
近衛につれられ離宮に入る
離宮という響きは良いが 実際のところ 王族の監禁場である
「なんだここは?」
そう 牢獄に行くほどの罪ではない 若しくは罪はあるかもしれない との王族を捕まえておく所である そんな所に国民からの税金を使う訳もなく 王宮で不用になったものの ゴミ捨て場 足のおれたベッド 汚くなった絨毯等々 明かりもない 火事でもおこされたら大変だからである
「こんな所でどうやって 生きろと言うのだ くそ!くそ!アイリスめ!」
ゴトッ
「だ、誰だ!」
「オスカー様!」
「ジャネットか?」
「はい!」
「もうちょっと 小さい声で!」
「はぁい」
小さい穴が空いているらしく そこからゴソゴソとジャネットが出てくる
「泥だらけではないか!ドレスも破れて……」
「オスカー様が心配で……」
「でもよく ここまでこられたな 城から出されたのだろう?」
「はい あの人達に連れていかれたんですぅ 痛かった~!」
「見せてみろ」
灯りがないため 月明かりの中で確認すると 確かに手首が赤くなっていた
「くそ!奴ら覚えてろ!ジャネットをこんな風に扱いやがって」
「オスカー様も大丈夫ですかぁ?」
「私は大丈夫だよ 心配してくれるのか 優しいな ジャネット」
「これから ここで暮らすんですかぁ?」
「父上に話が出来れば すぐに戻れるはずだ だが誰も面会出来ないって事は 母上に訴える事も出来ない」
「私がいってきますぅ」
「ジャネットが?」
「はい!出してもらえる様にお願いすればいいんですよね?」
「あぁそうだ ではジャネット頼むよ」
「はい~!任せて下さい」
わたしは知らなかったのだ ジャネットってちょっとちょっと お馬鹿さん!ってことを 後で後悔 だって後悔先に立たずって言うじゃん 実感したよ
「じゃあ オスカー様 行ってきますねぇ!」
「気を付けろ!」
「アイリス様 いかがですか?」
「そうね もうそろそろ寝ましょうか 皆さん心配してそうですし 明日はもっと大変なことになりそうですものね」
「そうですね 侯爵家の大旦那様 旦那様 次の日はうちの大旦那様大奥様 あと 王妃様からもきっと何かあるでしょうし お嬢様 お眠りになって 体力温存が宜しいかと思いますわ」
「きっと そうよね では休むとしましょう ジャスミンも下がっても大丈夫よ ちゃんと寝ますから 変なことは起こさなくてよ」
クスッ
「では 少し経って下がらせていただきます 宜しいですか お嬢様?」
「えぇ それでもいいわ お休みジャスミン」
「お休みなさいませ お嬢様」
「どうだね アイリスは寝たかな?」
「はい 先程お休みになると言われ 暫く寝室でご様子を伺っておりましたが いつもの様にお休みになられました」
「そう ジャスミンありがとう 暫くはアイリスの事で何か気になることがあったら教えてちょうだい」
「畏まりました 旦那様 奥様 では失礼致します」
各自 各々の立場と各々の思いを抱いて 眠りにつくのだった
翌朝はとても爽やかな朝だった
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