第7話 ドラフの村
ゴブリンたちを倒し、少女を助けた俺たちはまずその少女に話を聞くことにした。
「君、大丈夫かい?」
俺は少女に出来る限り優しく声をかけた。
「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」
「じゃあ一つ聞くけど、なぜ君はこんなところでゴブリンに追われていたんだい?」
「それは、山菜を取りに森に入っ、て山菜を探していたらいつのまにかゴブリンが近くにいて……。」
まあゴブリン退治のシナリオのあるあるだよなこれ。
「じゃあ君はドラフの村の子供かい?俺たちはゴブリン退治のために派遣されてきた冒険者なんだ。村まで案内してくれないか?」
そう言うと女の子はパッと明るい顔になって「分かった」と言ってくれた。
彼女の名前はエリーというそうだ。なんと村長の娘らしい。彼女の案内でドラフの村に到着した。
「おお、エリー探したんだぞ。どこへ行ってたんだ?」
村に入るとおそらく村長だと思われる人物が、エリーの元に駆け寄ってきた。
「おとん、ゴブリンに襲われていてあの人達が助けてくれた。」
そう言って俺達の方を指差すエリーちゃん。
「おーそうでしたか。娘を助けていただきありがとうございます。」
「いえいえ、これも仕事のうちですから。すみません、自己紹介が遅れました。俺たちストフの町からやってきた冒険者です。依頼を受けてきました。」
「あなた方が依頼を受けてくれた冒険者ですか。ようこそドラフの村へ。」
村長はそう言って俺達に握手を求めてきた。
「早速ですが、ゴブリン達が現れた状況を教えてください」
「そうですな。とりあえず立ち話もなんですし我が家へお越しください」
そう言って村長は自分の家へ俺たちを案内してくれた。
村長の家に入ると、応接室に案内される。応接室に入ると、村長の奥さんかお手伝いさんがお茶を出してくれた。
「では、改めまして娘を助けていただき、ありがとうございました。」
「いいえ、これも仕事ですから。」
さっきと同じことを繰り返してるなあ。どうやら、お茶を出してくれた女性は奥さんみたいだ、一緒に頭を下げている。
「早速ですが……。」
「ゴブリンが現れた時の様子じゃな。最初は村の狩人がたまたま発見しただけじゃった。しばらく様子を見ているとな、村の近くの洞窟の方でゴブリンが出入りしているのを、これも別の狩人が見つけての。そうしてるうちに、うちの村の作物や豚などが盗まれるようになっての。作物や豚は村の共有財産じゃ、村人が盗んだとは考えられん。それに狩人が言うには、人より小さな足跡が見つかったり、あと木の柵が一部破られておったな、そこからゴブリンだと推測して冒険者ギルドの方へ依頼を出したわけじゃ。万が一のこと考えれば村人に被害が出る前に終わらせておきたかったのじゃが、まさかわしの娘が被害に遭いそうになっとるとはな……。とりあえず疲れたじゃろ。村ではわしの家に泊まるが良い。冒険者の皆さんよろしく頼みます。」
そう言って村長は我々に頭を下げた。
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ようやく、主人公以外の男性キャラが出てきた(笑)。
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