第5話 初期作成シナリオ定番のアレ
買い物を済ませた俺たちはドラフの村へ向かうのであった。
「さて隊列をどうしようか?」
ストフの町を囲む防壁に作られた門から街道へ出た俺達は、どういう並びで移動するのかを話し合っていた。と言うか、街の中で話し合うべきだろ、これ。セッションの時はだいたい隊列を組む必要がある時になってから決めてたからなあ……。
「「「「リーダーに任せた。」」」」
「俺に一任かよ。仕方ないなあ。じゃあ、まず先頭にミケ、そして前衛のコゼットも一緒に並んでもらおうかな。次いでリンとメリーさんが並んでもらって、最後尾を俺ってとこで、どうかな?」
スカウトと壁役を先頭に、中間に接近戦能力が低い二人を配置し、遠近両方ともに攻撃が可能で、危険感知もできる俺が最後尾にいる。たぶん、このパーティーだとこのバランスがいいんじゃないかなと思って決めてみたんだけど……。
「それでいいにゃー。」「問題ないですね。」「(コクコク)」「ケイン様が決められたことに異存はありません。」
みんなも納得の隊列のようなので、基本はこの隊列でいくこととしよう。
「それはそうとケイン様。私のことも呼び捨てにしてください。一人だけ仲間外れみたいなので寂しいです。」
あー、そういえばメリーさんだけさん付けだったな。
「わかった。よろしくなメリー。」
「はい。」
しばらく進むと、街道は森へと入っていった。
「なんか不気味だにゃー。」
確かに、ミケが言うとおり不自然な静けさを感じ取る。ここは多分初期作成シナリオの定番のあれでしょう。そうチュートリアル戦闘だ!
さて、このシナリオの場合チュートリアル戦闘で考えられるシチュエーションは二つある。一つは街道横の森から、動物系モンスターが出てくるというパターン。大体
【シナリオ確認します。この先、チュートリアル戦闘で村の子供がゴブリンに襲われていると言うシチュエーションになっています。】
うぉぉぉぉぉぉおぉ。これが技能のシナリオ確認の効果か!ということは、村の近くまで来ると悲鳴が聞こえるってわけだよなぁ。街道のどっちかがわかればいいんだけど……。
【シナリオ確認します。街道の左手から聞こえる予定です。】
うん、チートすぎて、もうって感じだな。何と言うか、GMレスのソロシナリオをやってるみたいだ。
そのまましばらく街道をすすむ。もう間もなく村に着くだろうというところで、ミケに簡単な指示を出す。
「左側の森も警戒しろよ」
「わかったにゃ……!!何か聞こえるにゃ!」
お、イベント発生だな。
「どんな声だ!」
「子供の悲鳴にゃー」
「よしミケが先頭で先導してくれ。俺たちはミケについて行く。リンとメリーは弓で牽制をしてくれ。コゼットは俺が突っ込んでいったら、子供達とゴブリンの間に入って子供たちを守って。それじゃ行こう。」
全員が頷いたのを見て、俺たちは悲鳴があった方へ駆け出していった。
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次回より投稿曜日が日曜日に変わります。
理由は、近況ノートにも書いた来月以降の投稿予定と、ストックが尽きたという現実的な理由です。
次回は5月1日(日)の21時を予定しています。
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