第3話 冒険者にならなければならない女神官

「えーと、冒険者志望の方ですか?」


 ミシェルちゃんが乱入してきた女神官に話を聞こうとしている。


「えーと、冒険者になりたいというよりは、ケイン様の仲間となるようにアルテナさまに言われているので、ケイン様が冒険者ならば私も冒険者にならなければならないでしょう。」


(((((うわー、めんどくさい子)))))


 俺たちの心は今ひとつになった気がした。


「あー、はい。一応冒険者になるというのならば登録しなければならないので、まずカウンターへどうぞ。」


 そう言って、ミシェルちゃんが冒険者の店としてのカウンターへ彼女を案内しようとする。だが……。


「えーと、ケイン様はこれから依頼に行かれるのでしょう。ではそんなことをしている暇は……。」


 そんなことを言う彼女にミシェルちゃんは半ギレで……。


「あなたが乱入しなければ今彼らに依頼の話をしているはずでした!あなたのために依頼の話が遅れているのです。冒険者にしてあげますから、さっさとこっちに来てください!」


「あ、はい。よろしくお願いします……。」


 そうミシェルちゃんに怒られて彼女は受付に向かって行った。





「ではまず、この書類に名前、性別、年齢、職業ジョブを書いてください。」


「あ、はい。」


 カキカキカキ


「では次に、この魔法装置に手をかざしてください。」


「はい。」


 そうするとミシェルちゃんは書類を装置におきボタンを押した。すると装置から光が漏れ、チーンという音とともにカードが1枚出てきた。縁がグレーの初めて冒険者になった人が受け取るGランクのカードだ。


「はいこれがGランクの冒険者カードになります。身分証も兼ねているのでなくさないようにしてください。再発行には銀貨10枚かかりますので気をつけてください。では、とっとと冒険者としての説明をさせていただきます。冒険者はGランクからSランクまでの八つのランク分けがされています。それぞれ依頼できる受けることができる依頼のランクになっていまして、Gランクの場合ゴブリン退治とか下水道掃除とかそういうものがほとんどですね。ちなみに冒険者のランクは縁の色でもわかるようになっています下から順に灰、紫、青、緑、黄、オレンジ、赤、金となってます。依頼を受ける際にはパーティーならば全員の冒険者カードを提出してしていただきこちらで装置で読み込ませていただきまして、依頼の受注となります。依頼達成した場合、また失敗した場合でも、受付で手続きをしなければいけないので来ていただきますようお願いします。報酬に関しては依頼書に書かれていますのでそちらをご覧ください。依頼書は受付右手の依頼ボードの方に貼り付けられていますので依頼を受ける際にはそちらから持ってきていただくか、また今回みたいに特定の冒険者に依頼をする場合は、こちらから声をかけさせていただくこともありますのでその際はご協力をお願いします。」


「お、おう。」


「また冒険者ランクのランクアップについてですが、依頼の達成数と、依頼の成功率で判断し、Eランクまでは自動的にランクアップしますが、Dランク以上になりますと、昇格試験を受けてもらうことになります。D級以上の場合冒険者に信用と品位が求められるので、こういう形になっております。試験の内容ですが、主に筆記試験と実技試験が行われます。実技試験で優秀な成績を挙げていても筆記試験が悪ければ、ランクアップができないと思ってください。それではSランク冒険者を目指して頑張ってください。」


 パチパチパチと周囲から拍手が上がる。何せこの長文の冒険者としての説明文を言い切ったからだ。十歳ぐらいのミシェルちゃんはこの冒険者の店のアイドル的存在で、ベテラン冒険者の皆さんが可愛がっているのである。


 ミシェルちゃんは彼女……メリーさんを連れて再び俺たちの席のところに来た。

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