第2話 初依頼とパーティ結成?

「ちょうどよく皆さん同じテーブルに座っていますね。実はまだパーティーを組んでいない皆さんに依頼を受けてもらおうかなと思っています。」


 そう看板娘のミシェルちゃんが声をかけてきた。


「依頼って何かにゃ?」


「ゴブリン退治です。このストフの町から歩いて半日かかる村にゴブリンが出てきて畑を荒らすので、討伐してもらいたいという依頼です。」


 TRPGとしては結構オーソドックスなシナリオだな。最初の依頼としては妥当なところかな。だけど……。


「依頼内容の前に、まず自己紹介をしないか?ギルドとしては俺たちに組んでもらいたいみたいだし……。」


 俺の提案にみんな頷く。


「じゃあ、まず言いだしっぺの俺からだな。俺の名前はケイン。15歳。職業ジョブは魔法戦士で剣術と炎魔法、回復魔法が使える。よろしく頼む。」


 そう俺が自己紹介をすると次に手を上げてきたのは猫獣人の少女だった。


「じゃあ次はうちにゃ。うちの名前はミケ、14歳だにゃ。職業ジョブは盗賊で、盗賊としての一通りのことと短剣と弓が使えるにゃ。よろしくにゃー。」


 ミケの自己紹介の後、自然と時計回りにエルフの少女へ続くことになった。


「私はリン。89歳。魔法使い。大抵の魔法は使える。」


 言葉少なに自己紹介をするリン。さすがに情報がたらないので、少し突っ込んで聞くこととした。


「リンさんの使える魔法について、もう少し詳しく教えてくれないかな?属性とか。」


「ん、リンでいい。属性は炎、風、水、土、あと補助も使える。」


 これでリンのだいたいの魔法が分かったので、残ったドワーフの少女に自己紹介を促す。


「私はコゼットと申します。年齢は28歳、見ての通り重戦士で、後は鍛冶と炎魔法が使えます。よろしくお願いいたします。」


「回復魔法を使えるのが俺だけっていうのが少し心配だが、まぁバランスが取れてるパーティーだなあ。じゃあ依頼の……。」


 これで全員の自己紹介が終わったので、依頼の話を聞こうと思った矢先……。


 バーン


 という音とともに店の扉が勢いよく開かれた。


 入ってきたのは透き通るような淡い青の髪をした人間の少女であった。彼女は入ってくるなり何かを探すようにキョロキョロと首を振り、そして俺と目が合った。

 彼女は俺を見つめると俺の方に向かってきた。


「ケイン様ですね。私、アルテナ教の神官をしています、メリーと言います。今朝、アルテナさまより神託があり、ケイン様についていくようにおっしゃられました。冒険者とのことなので、私もパーティーに加えてください。よろしくお願いします。」


 め、め、め、女神様〜、神託って何ですか!俺特別な人間ってことですか!いや確かに異世界から転生してきたっていう意味では特別だと思うけど、さすがに神様のお告げで神官が付いて行くようになるなんて異常でしょ。俺、勇者ですか?


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