第1章 パーティ結成と初めての依頼
第1話 目覚め
目を開けると、見たことのない天井だった。
そういえば女神様から冒険者の店の宿泊場所にいるというふうに聞いていたな。
俺は、そう思い出して起きる準備をする。一応、服の着方もしっかりと覚えているし、鎧の着方もわかる。一通りの身の回りを整えて俺は下の階にある食堂に向かった。
「ケインさんゆっくり眠れましたか?」
食堂で給仕をしていた少女が聞いてきた。彼女はこの冒険者の宿『竜の翼亭』の看板娘のミシェルちゃんである。彼女の一家がこの冒険者の宿の主であり従業員である。
「ああ、ゆっくり眠れたよ。ところで今日の朝食は何かな?」
「ハムのサンドイッチですね。それにサラダが付いてきます。」
「美味しそうだね。じゃあそれをお願い。」
「はーい。じゃあ、空いてる席に座ってね。」
そう言うと緑色のポニーテールを揺らして厨房に向かっていった。
俺は空いているテーブルに着いて、サンドイッチが来るのを待つ。そういえば、女神様は『冒険者の店の宿泊施設なので、起きて1階にある食堂兼酒場兼待合室みたいなところがあるので、そこにいてください。しばらく待っていたらイベントの方が発生します』と言ってたな。じゃあ朝ご飯食べた後も居座ろう。
「ここ、いい?」
朝ごはんを食べた後、優雅にお茶を飲んでいると、食堂が混んできたのか、金髪のエルフの少女が声をかけてきた。
「ああ、構わないよ。」
「ありがとう」
そう言うと向かい側に座った。彼女には山盛りのサラダが出された。彼女はそのサラダをもっきゅもっきゅと食べた。脇には弓と杖が置いてあるので彼女も冒険者だろう。
「こちら、座ってもよろしいでしょうか?」
今度は赤い髪をしたドワーフの少女が声をかけてきた。
「ああ、いいよ。」
そう答えると、彼女は「ありがとうございます。」と言いながら、向かって右側の椅子に座った。彼女の朝食は俺と変わらないようだが飲み物がホットワインみたいだ。彼女の冒険者らしく、脇には盾とハンマーが置かれていた。
「うちも座っていいかにゃー?」
今度は猫獣人の少女が声をかけてきた。彼女は茶色と黒の混ざったショートカットで、しっぽはいわゆる三毛猫と同じ色合いだった。
「いいよー」
「おー、ありがとにゃー。」
そう言って彼女は向かって左側の席に着いた。彼女の腰にはショートソードが2本さしてあったので、彼女も冒険者なのであろう。彼女も朝食はハムサンドだったのだがハムがかなりマシマシになっていた。
うーん、これが女神様の言っていたパーティ結成イベントの導入なのかなと勝手に推測してみた。何せ、ここにいるのがどう考えても後衛魔法使いのエルフと前衛重武装ドワーフ、それにシーフっぽい猫獣人だ。みんな女の子でハーレム化してるし。この3人とパーティーを組むのだろうなあと思いつつ、女神様が言っていたパーティメンバーが5人なのであと一人どんな子が増えるだろうなと思いを馳せていた。だが……。
「ちょうどよく皆さん同じテーブルに座っていますね。実はまだパーティーを組んでいない皆さんに依頼を受けてもらおうかなと思っています。」
そう看板娘のミシェルちゃんから声をかけられた。
え、イベント発生!?
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