第12話 剛太の気持ち
何だ? 何がどうなってるんだ?
薫が女装している、いや、女性だったって……
いや、待て待て、それなら俺の決心は何も悪いコトじゃないよな。告白だってできるぞ。
幼い頃から美少年だとは思っていたけれど、何でずっと女性だって隠していたんだ? いや、気がついてなかったのは俺だけか? 中学の頃のクラスの他のヤツもみんな気がついてたのか?
俺の頭は混乱していた。しかし、薫に一目惚れしたのは間違いない。直ぐにでも告白をとも思ったが、何故か言い出せない俺がいる。
俺が凝視しても怒らない薫。今日は下腹部だけじゃなく、胸からも純白に輝く下着オーラが見える。そして、スリーサイズだ。上から八十九、五十五、八十二の俺の好みの範囲内のベリー・ベストだ。
しかし、俺は
ああ、どうして俺は受験の際に薫の言う事を聞かなかったんだ。そうだ、あの時は薫が男でも告白しようと決心して、それには俺ができる男だと証明しなければと変な気持ちになっていたんだ。
クソッ、こんな気持ちは初めてだ。俺はどうしたらいいんだ。
ハッ、そうだ。こういう時には師匠に相談だ!
俺はみんなと一緒に師匠の元に行き、みんなには待ってもらい、師匠と二人きりで話をさせて貰った。しかし、師匠まで気がついてたなんて……
ますます情けない気持ちが出てくるが、俺は師匠に相談した。
「何だ? 何を悩んでるんだ? お前らしくないな」
師匠にそう言われ、そして
「薫はお前のことを大切に思ってるぞ。それは間違いない。ならばお前は臆することなく今の正直な気持ちを薫にぶつけてみろ。悪いようにはならないだろうよ」
そんな言葉を言ってくれた。俺の気持ちが固まってくる。良し、明日だ。明日の放課後に薫に告白だ。薫にフラれようとも俺は心友ではいたい。
そんな決心をして、俺は少し気が軽くなりながら師匠と二人、部屋を出たのだった。
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