第8話 剛太目線の中学三年
俺は
そう、一途にだ。
俺は告白している時にはその女性しか眼中にないし、告白が上手くいって付き合うようになったら、必ずその女性と添い遂げる覚悟と自信がある。
そして、俺はいつもフラレる。何故だ?
そんな俺を幼い頃から励まして、次に向かう勇気をくれる心友が一人いた。
そう、俺の家の隣に住んでいる幼馴染、
薫は幼い頃から美少年で、俺よりもモテモテだったが、いつも俺の事を考えて俺が告白して、フラレたら励ましてくれた。
途中で将暉や衣里といった心友が増えたけれども、俺にとっては薫が一番の心友なのだ。
そして、今や中学三年になり俺は珍しく悩んでいた。
何故なら転校生がやって来て、男の癖に男の薫を口説き始めたからだ。もしもヤツに薫が口説き落とされたならと考えると気が気でないのだ。
何故だ? 何故に俺はそんなに気になっているんだ。俺はそれ以来好きになる女性が居らず、告白もしていない。女性のスリーサイズを見抜く事と、下着のオーラを見る修行は続けているが。
そんなある日の事だ。なんの気なしに薫を見ていたら、薫の下着オーラが見えてしまった。
ま、待て! 待つんだ、俺よ! 薫は男だぞ! 何故俺は薫の下着オーラが見えたんだ。白よりも白い、光り輝く白光を放つ薫の下腹部。しかし、胸部のオーラは見えない。
俺は顔には出さないが内心では大いに慌てていた。
ま、まさか、薫は小説や漫画でしか聞いた事がないフタナリというヤツなのか…… そこまで悩んで俺は考える事を放棄した。脳が限界を迎えたからだ。
しかし、それ以来俺は薫を意識してしまっている。そんな事はおくびにも出さないが、確かに意識しているのだ。そして、素直に俺は認めた。そう、俺はストレートに薫を口説いているヤツに嫉妬しているのだと。認めた途端に心が軽くなった。
そして、俺はある決意をした。
高校になったら薫が男でもフタナリでも構わないから告白しようと。
だから、俺はヤツが薫を口説き落とさないように懸命に邪魔をした。常に薫の側にいて、席も薫と変わってやった。ヤツは露骨に嫌そうな顔をしたが、構うものか。
薫は俺の心友でもあり、惚れた相手でもあるのだから。
剛太、十五歳の決意だった。
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