第4話 小学校五・六年の剛太
小学五年生になって、僕と剛太、将暉くんに新たな心友が加わったんだ。
名前は
そして、身体的に女性らしい成長が著しい子でもあったんだけど、何と剛太に五年生になって一番に告白されたんだけど、あっさりとフッて
それに心が素直な剛太はコロッと転がって、
「よーし、えりも今日から心友だっ!!」
って言ったとか何とか…… いえ、言ったんだけどね。そして、次の言葉が悪かった。
「えりは上から七十八、五十一、六十五だなっ!!」
とドヤ顔で衣里ちゃんに言った剛太。僕達も既に小学五年生。剛太が何の数字を言ったかは分かったけど、その言葉に衣里ちゃんは顔を真っ赤にして、武術を学んでいた僕でもギリギリ見えるか見えないかの速さで、剛太に往復ビンタを決めたんだ。
あの、同級生よりも頭一つ半は大きい剛太の頬をどうやってビンタしたかと言うと、椅子に飛び乗って足りない背丈を補ったんだけどね。
「ブッ、バアーッ!?」
と大きく言って倒れた剛太は、
「な、何で叩いたんだ? 間違ってたか?」
なんて衣里ちゃんに言うもんだから、更に蹴りを叩き込もうと椅子から飛び降りた衣里ちゃんを、将暉くんと二人で必死に止めたよ。
そして、それからの剛太の告白はフラレる為にワザと言ってるんでしょ? っていうぐらい、告白相手のとある数字を告白した後に付け足していったんだ。例えば、教育実習で来た大学生のお姉さんには、
「その豊満なお胸に顔を埋めたいです。よろしくお願いします! 上から八十八、五十八、八十のサリナ先生!」
なんてやらかして、頭を
体罰は禁止だけど、コレはセクハラだから剛太が悪いと言う事に満場一致で決まったよ。
そして、五年生の間に十二人にその調子で告白して、全て玉砕したけれど剛太は六年生になって更にパワーアップしてしまったんだ。
剛太がパワーアップしたのは身長。五年生で百五十九センチだったけど、春休みの間に急に成長して、六年生として学校に行く時には百六十七センチになってたんだ。更に、貴広オジサンと変な特訓を重ねたらしくて、投稿途中に若いOLさんにいきなり、
「そこの非常に素敵な胸部装甲をお持ちのお姉さん! その九十を超えるバストで僕を包んでくれませんか? 下に履かれている純白のパンティで僕を押しつぶして貰っても構いません!」
なんてやっちゃったんだ。背が高くて、子供に見えない顔立ちで、半袖短パンの小学校の制服を着て、ランドセルを背負った男にそんな事を言われたお姉さんは、
「キャーッ!! あ、朝から変態が出たーっ!!」
って大声で叫びながら逃げて行ったんだ。剛太はかなり落ち込んでいたけど、僕と衣里ちゃんと将暉くんで、剛太をちゃんと叱ったよ。
そこからが大変だった。お姉さんが逃げた先は交番だったようで、お巡りさんがやって来て職務質問された。結局、小学校までお巡りさんも一緒に来て、先生方が剛太は小学生だと保証する事態になった。
そして、何故か僕達も一緒になって先生方に怒られた。そんな中でも剛太はブレなかった。
翌日には剛太は下の学年の女の子に声をかけて、フラレた。
更に翌日には中学生の制服を着た女の子に告白をしたが、一言
「キモッ!!」
で撃沈していた。通報されるよりはマシだけど、キモッは無いと思ったのは内緒だ。
そんなハチャメチャな小学校生活も終わりを告げて、私たちは中学校に入学した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます