第7話 


 途端に、「ワッ!」と驚いて顔を引っ込めた。


「この空間の先はとても……危険そうよ! おどろおどろしい邪教団みたいな魔術師たちの部屋があったの! それに、一人に気がつかれてしまったわ!」

「?!」

「みんなきっと逃げたほうがいいわ!! 急いで!」


 弥生と敦は、落ち着いた白花の剣幕に気押されて、すぐさま逃げ腰になった。

 突然に抜けた空間から顔がニュッと出て来た。

 

「やあ、君たち。こんにちは。どこから来たのかい?」


 ぼくたちは一斉に男の顔を見た。20代半ばの男性だった。とても紳士的で、どう見ても邪教団の一人には見えなかったが?! 


「全員! 顔は覚えたぞ!!」


 すぐに紳士的だった男の顔が醜く歪み抜けた空間に引っ込んだ。


 それを見たぼくたちは、恐怖して一目散に古代図書館の出入り口へと駆け出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る