第12話「ノック」

 コンコンコンコン…コンコンコンコン…コンコンコンコン…


「んー?誰か来てるよー?」


「……あれはいいから。それよりゲームしよゲーム」


「えー、だって誰か…」


「いいから。ん、コントローラー。じゃ、あたしがね」


 そう言った友人の顔は真っ青だった。

 暫くその音は鳴り続いていたが、やがて鳴り止んだ。

 そして、二時間くらい経ったあとに宅配ピザを頼んだ時だった。


 コンコンコンコン。


「すみませーん。ピザバットです!」


「はーい!そこに置いといてください」


 ネットで支払いを終えている友人がそう返事した時、恐らく私の顔は真っ青だったと思う。

 私は気がついてしまった。

 友人がなぜ「いいから」と言ってさっきのノックを無視したのかを…

 ピザの配達員が行った外からのノックと初めに聞いたあのノックの音、その響き方は明らかに違っていた………

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