1章 ボーイ・ミーツ・ウルフガール(25)
精霊は人間の言語を理解することは出来ても、話せる精霊というのは殆どいなく、言葉を話せる、つまり、言霊を操れるというだけで、相当な高位の精霊である
4人と1匹の精霊、彼たちは遊んでいた。仲睦まじく、その様は
ある日、その4人は秘密基地に来ていた。4人が作った秘密基地、普段の辛い生活、大人や教師たちの目から逃れられる、そんな憩いの場。それは大人たちが「危ないから入っちゃだめ」と散々言われていた魔法の森の中にあった非常にデカい木の中だ。大木に掛かってある
いつものように秘密基地へと向かった4人。軽い小雨は降っていたものの、大意は変わらないだろうと、そこでお菓子を食べていた。雨の日でも上の枝や葉っぱによって彼らの居場所は濡れなかった。
「なぁ、三日月?」
「何、謙一?」
「お前って好きな子とかいるのか?」
「い、いやーいないよ。というか、なんで僕?」
「いやだって、明治はシスコンだし、裂葉は貴族から嫌われてるしで」
「ちょっと、僕に関しては家柄なだけじゃん!」
「おい、今なんて言った?」
「この中で、一番チャンスありそうなのは三日月じゃん。恢島とはどうなのよ?」
「えぇ!? そ、その、「どうなのよ?」って言われても、あいつとはただのライバルなだけで、べ、別にそんなことを考えたことないっていうか…… というか榎戀、好きなタイプが自分より、背が高くて、優しい白馬の王子様みたいな人がタイプって言ってたから、僕とは完全にモードが違うというか……」
そんな赤い顔で、捲し立てる三日月を見て他の3人はなにやら察したような雰囲気になる。
「ワシも、お前さんがあの子と恋仲になったら、存分にお祝いするぞ」
「だから、そんなんじゃないって!!!!」
そんないつものように談笑していた時、エターナルなものだと思っていた日常が突然終わる。
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