第七話 僕の家

「とりあえず、僕の家に案内するよ。」

段々と暗くなってきて、魔物達が活発になってきた。

そろそろ帰らないと、真面目に死んでしまう。

リラは頷くと、僕のあとについてきた。こう見ると、幼い少女のようだ。

リラは一体、何者なんだろうか。

早くそのことについて情報を集めて、リラを元の場所に返してあげなければ。

僕はこの時、彼女が音もなく魔物を倒していっていることに、気が付かなかった。



「ここが僕の家だよ。これから少しの間は君の家にもなるから、好きに使ってもらって構わないから。」

僕が家の中を案内すると、物珍しそうに家の中を見回していた。

大して物はないけれど、こうもじろじろ見られると流石に恥ずかしくもなる。

「ま、まぁ、部屋の中はこれぐらいにしようか。リラは、この部屋を使ってね。」

僕の家には、空き部屋が一つあった。

ホコリが溜まるのが嫌いなので、使わなくても掃除はしていて、いつでも使えるような状態になっていた。

リラは子供のように、あれはなに、これはなに、と質問をしてくる。

それに答えるこっちの身にもなって欲しいが、何も分からないという不安はかなりのものだと思う。

だから何も言わずに質問に答えていった。

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