第二話 この世界の能力者

僕のこのヒーラーとしての力が分かったのは、たまたま村に寄った聖職者の人に鑑定されたからだ。

能力は、聖職者に鑑定してもらわなければ自分でも分からない。

たまたま村に来た聖職者に感謝…したいが、実はあまり感謝できない。

その聖職者が村に来てくれた時、村の全員を無償で鑑定してくれたのだが、能力を持っているのは僕だけだった。

だから、除け者にされて、強制退村。

今まで家族のように接してくれていた人たちにそんな扱いを受けて、かなり傷ついたのだ。だから、分からない方が良かったかもしれないと思っている。

クエストを失敗したときには、いつも村を追い出された時のことを思い出す。

僕は思わずため息をつきながら、帰路についた。

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