最強ヒーラーは最強アタッカーに出会う

黒白ノ巫女

第一章

第一話 この世界

今日もクエストを失敗してしまった…。

僕はどうも戦うのが苦手で、男なのに回復、つまりヒーラーになっている。

まぁ、でも回復については誰にも負けない自信がある。

それに、ヒーラーという立ち位置があるだけ、まだましだろう。

この世界では、ヒーラーでもアタッカーでも、なんでもいいのだが、とにかく何か戦いで役に立てるような能力がなければ、平民にしかなれない。

平民は街に住めるが、それもある程度お金があるものだけだ。

お金がない、貧しい人たちは郊外に集落を作って自給自足で身を寄せ合って生きている。

僕も、このヒーラーとしての力がなかったら、そのままあの村にいただろう。

父親はいつの間にかいなかったし、

母親は村の生活を支えるために働きに出ていた。

村の人たちはみんな優しい人たちだったけど、厳しい人たちでもあった。

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