第63話 人族村争奪戦
「なぁ、リズさん。なんか村見えねェ?」
「ああ、あるな」
「なんか、戦ってねェ?」
「そうだな」
「……反応薄っ」
私たちは拠点、私が滅ぼした村から出て、ターメディザル大砂漠にて歩みを進めていた。目指すは、
ここまで痕跡は在らず、ゲーム内時間で三日も過ぎている。【MCC】東京支部にもリーシアを連れて行くのもあと少しだ。やる事が多いな。
それで……また村か。村がある事はいい事なんだが、戦闘中か。
面倒だ。
「ルク、敵対種族が何かわかるか?」
『"(o´・ω・)´-ω-)』
遠くを視る事に特化したスキル《遠見》を持つ【
「なんだ?」
『ε= (^0^*)げっぷ♪』
「どういう意味だ、リズさ……リ、リズさん?」
「くは、漸くお出ましか」
ザッハークが少し怯えているが、どうせ私を見て怖がっているだけだろう。出会ってから、よく彼女を食べている為、本能的に恐れてしまうのだろう。
しかし、代わりに私の肉も仮称とはいえ、ザッハークに食わせているというのに……。
まあいい。
「
「な!マジかよ!じゃあ、直ぐに参戦するか?」
「まあ待て。二種族相手にするのは消耗が多くなる。
残り僅かになったら、掻っ攫って行くぞ。ああ、
「漁夫の利って奴だなァ!」
「では、行こう」
「応!」
『『『(੭•̀д•́)੭!!!!』』』
*****
三人称視点
この
彼らは
故に、彼らは魔物のような野生的な残虐性と人のような知性的な冷酷さを孕んでいる。
更に、彼らの生態は人間と同じく集団。多数という利点を理解している為、狩りもまた、人のような戦術を扱い野獣のように襲う。
人知れずに滅んでいった村や町、国が数多に存在する。
意外にもこの
そんな頂点に居座る化生は新たな贄を求めて、とある村へ狩りに行った。それが運の尽きだとは思わずに。
その村は約600人程住む、周辺の村の中で一番大きな部落だった。
そんな村を襲ったのが、50体程度の砂漠の悪魔、
本来ならば、この人数差だと
《対人特効》と《食事再生》、《魅了の瞳》に《
それ故に、今の村の住民の殆どが腹や腕などを噛み千切られ、無残な死に様を晒している。生きている者も少なく、あと40人ぐらいだろうか。逃げ切られた者は60人程。
まさに、いや正しく絶対絶命。
そんな中、一つの光が差し込んだ。その光は
肉塊が自由自在に地を這い、天を駆け、
異形の脚を持つ勝ち気な少女はその足に黒い呪詛を纏わせ、生き残っている
彼女の顔に飛ぶ血は彼女の美貌を妖しく飾っていた。
そして、見ただけでわかるこの魔の軍勢の主であろう酷薄な中性的な女性は滲み出る狂気を宿し、暴虐の限りを尽くしている。
もしかしたら、この敵は魔の王に類いするのではないか、と。ならば、主に伝えなければ、と。新たな厄災が世界を蝕むかもしれない、と。
この場から離れようとする
そこからは最早、作業としか言えなかった。
此処に地獄が顕現していた。
*****
これで下手な動きはできないだろう。
「ザッハーク、人を食ってないで生存者の捕縛をして来い」
呑気にも生きていたら嫁にでも貰われていそうな女性の頭を裂き、脳漿を啜る金髪の少女を見る。
私も食べたい欲求に蓋をしているというのに……。
「じゅ、じゅりゅりゅりゅ!!……おう、行って来る」
はぁ、従順な方だが……扱いに困る。
さて、あいつの事は置いておこう。本題、拷問と行こうか。
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