第25話 子供の役割

「《火炎纏》」

「《電雷纏》」

「《炎氷纏》」



 レッドの体に炎が絡みつき、イエローもまた雷が体を駆け巡る。

 私の持つ幸福に煌めく王の肉叉フェリスに炎と氷が纏わりつく付く。


 イエローが一番最初に動き出した。

 ジグザグに攪乱するかのように走り出す。



「《サンダーストライク》」



 残り3m辺りというところで後ろに下がり、電雷の塊を放出する。

 私は幸福に煌めく王の肉叉フェリスで弾丸を打つ。

 ちょうどレッドが居る辺りだ。


 レッドは向かってくる球をジャンプしながら避ける。


 イエローは私の周りを円を描くように駆ける。

 とても鬱陶しい。


 それよりも、レッドが赤いオーラを纏っている。

 さらに、周辺の石が赤熱化し、木々が燃えている。

 強力なスキルを使うのだろう。何とかして、阻止しなくては。



「《雷ハ堕チスプリング地ハ失セルライトニング》!」

「《空間浮遊》」

「チっッ!」



 イエローが雷のエフェクトを巻き込みながら、突きを放って来た為、空に逃げる。


 レッドの大技を止めなければならないのだが、イエローが厄介すぎて動けないな。

 今も雷の弾丸と白い光線を放って来る。


 そうだ、ブレスに任せるか。



「《シャイ》ッア!」

『(((((;`Д´)≡⊃)』



 ブレスは極限に膨張した肉の塊でイエローの後頭部を殴りつける。


 怯んだな。

 では、喰らえ。



「《飛翔双刃撃》」

「なっ、ぐあァぁァァッっゥ!!」



 イエローに向けて、二種の武器で袈裟斬りする。

 ほぼ死んでいるが、まだ生きているか。

 ならば、



「死ね。《残虐なる刃》」

「あ、ア。あと、はまか......た」



 イエローの首を刎ねる。


 だが、失敗したらしい。

 レッドのスキルが完成したらしい。

 白い絵の具で塗りたくったような白い太陽がレッドの上に出来ていた。


 大体10mぐらいか?

 あれをここフィールドに落とすのか?

 レッド諸共焼け死ぬ、いや焼失するぞ。


 あれは無理だな。



「お前の罪、焼かれて償え!これが、レインとイエロー、あの事件の被害者、俺の怒りだァ!

 《爆情天陽:真怒》ォォ!!!!!」



 怒りの太陽が地面にゆっくりと落ちる。

 最初にレッドが消えた。

 地面に着陸する。


 世界が白く燃えて、爆発した。

 正義の太陽は悪を滅せんと、燃え上がった。


 視界がピンクに染まる。ピンク?

 あの太陽は白かったはず。

 ならば、これは、まさか。

 ブレス?



『 (・∀・。)(-∀-。)(・∀・。)(-∀-。)』



 ピンクの肉壁がドロドロになっていく。

 周りを見ると、ひたすらに白くなっていた。

 私の足元だけは元の土色だった。


 そして、私の周りを取り囲むように白とピンクのグラデーションになっている肉塊が横たわっていた。

 今も焼けた部分の再生をしている。

 それが痛々しくて見ていられなかった。


 だが、私は目を離さない。

 私を守ってくれた人に目を逸らすことなど私の誇りにかけてない。


 ブレスを持ち上げ、抱く。

 手や胸が燃えているが気にしない。


 だが、聞きたいことがある。



「何故私を守った?いくらブレスの所有者だとは言えども、自分の命の方を優先するだろう?」

『......オカアサンダカラ』

「え?」

『オカアサンガキズツクノハミテラレナイ。オカアサンノコトダイスキダカラ」

「......」

『セカイデヒトリノオカアサンダカラ』

「......」

『アイシテルヨ、オカアサン』

「私もだ。君たちは家族だ」

『ヤッタ。ボク、アイサレ、テルッt』

「......ありがとう。ブレス」



*****



[第4グループの勝者が決まりました。

  1人目【混沌堕天】ロスト

  2人目【防壁】ガンガイル

  3人目【人の皮を被りしあくま】リズ=カムニバ

 以上3名です。お疲れさまでした。]

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