第4話 私に捧ぐ聖肉 前編

 勇敢なるトカゲを殺した後、私は肉を探すために森の奥深くへと進んだ。

 エネミーは今のところ三種類出てきている。

 トカゲのミリモアードと50cmくらいのカブト虫、トルコイア。そして......



『KIERUUU!』

「ふっ!っと」



 今襲ってきた緑色のサル、グリアルだ。

 1mあるかどうかという程の大きさだ。腕が長く、爪が鋭いのが特徴だ。


 ガサガサとなったのですぐに避けたため攻撃を受けることがなかった。

 だが、無理矢理避けたため体のバランスを崩してしまった。

 緑ザルが私の頭を狙って腕を振り下ろそうとしているのが確認できた。

 一か八か使うとするか



『GUREAAA!』

「《魅了の瞳》」

『GURAie...ruruu』



 成功したようだ。


*****

《魅了の瞳》

 あらゆる者を魅了せし瞳。しかし、それは一方的に押し付けている愛でしかない。

種類:魔眼系

属性:闇

効果:MP消費 25 CT 10秒

  《状態異常:魅了I》 25%の確率で付与する。

*****


*****

《状態異常:魅了I》

 魅了という業の第一位階。始まりの罪へと導く悪魔の力である。

効果:5秒間の状態異常付与者に対する敵対行動の不可

*****


 漠然としたものだが四分の一の確率を引いたようだ。

 このスキルは発動ワードを言って対象者を見るだけでいいため、楽でいい。


 緑ザルは途中で攻撃をするのやめ、自分の行動に驚いてオドオドしている。

 その隙に駆け足で近づき、緑ザルを押し倒して首元にフォークを突き刺し固定させる。

 後は、ナイフで切り刻む。

 胸を腹を頭を永遠に切り込んでいく。視界も体中が黒く、紅く染まる。

 私はいつの間にか狂ったように嗤っていた。



「くくっ、くひひひひ、くははははははははは!!!!!」

『GUuu、......erta、guha.......』



 嗚呼、素晴らしい。仮想現実なのに現実のようだ。

 血肉を浴びるのが心地いい。

 肉片をさらに引き裂く。


[アクティブスキル《狂喜乱舞》の獲得に成功しました]

[パッシプスキル《狂気の入り口マッドチルドレン》の獲得に成功しました]

[称号【狂気の娘】 【悪魔を宿す者】の獲得に成功しました]


*****


 少し経ち狂喜が収まると、私が起こした惨状に全力で引いた。


 大地は黒と紅に染まり、木々にも血肉が付着している。辺り一面に広がる、悪趣味な匂い。惨劇の中心にある見るに堪えない肉片。

 散々な惨状がそこにあった。



「.......よし、ステータスの確認をしよう」



 右の人指し指を縦に下すと、いつものウィンドウが出てきた。


*****

【】リズ=カムニバ

種族:人族ヒューマンLV.3

属性:闇

役職:1st.盗賊シーフLV.3

   2nd.解剖学者アナトミストLV.3

   3rd.狩人ハンターLV.3

合計成長値 STR×1.3 AGI×1.5 MIN×1.1 DEX×1.9


基礎値

HP:31/34

MP:49/52

SP:96/114

STR:13(+4+8+2+2)

VIT:4(+2+2)

AGI:27(+11+9+2)

INT:10

MIN:16(+4)

DEX:30(+10+21+8)

LUK:0


STP:24


アクティブスキル

《肉断ち》 《魅了の瞳》 《狂喜乱舞》

 

パッシプスキル

《切断強化I》 《二刀流》 《追刃》 《狂気の入り口マッドチルドレン


称号

【狂気の娘】 【悪魔を宿す者】


装備 頭:なし 胴:初心盗賊着(VIT+2) 脚:初心盗賊着(VIT+2)

   右手:初心のフォーク(STR+2) 左手:初心のナイフ(STR+2)

   足:初心盗賊靴(AGI+2) 装飾品:なし

*****


 ......属性やスキル、称号の欄が変わっている?

 いいや、今はSTPを振り分けよう。


 STPは24。

 種族LVが1上がるごとに5ポイントもらえる。5の倍数のところでは、10ももらえる。

 役職LVは第一位階だと1上がるごとに1。5の倍数地点では、5もらえる。


*****

基礎値

HP:31/44

MP:49/58

SP:96/172

STR:18(+4+8+2+2)

VIT:4(+2+2)

AGI:36(+11+9+2)

INT:10

MIN:19(+4)

DEX:50(+10+21+8) 

LUK:0

*****


 これでよしと。

 そして、問題の奴らだな。


*****

属性

 その者の魂に刻まれし性質。

 属性によって得意、不得意がある。力を付けていくと唯一無二の属性へと至るかもしれない。

*****


*****

属性:闇

 リズ=カムニバの属性は闇である。

 貴様の欲望は■■■■であり、宇宙を脅かす精神性を持っている。

 この闇とは貴様の浅層の一部であり、全貌を明かしたものではない。

 貴様が■■に至るのを楽しみにしているぞ。

効果:闇系属性スキルの効果上昇(微小) 

   光系属性スキル効果下降(小)

   光系属性脆弱(小)

*****


 .......こういうのって個人に向けてメッセージとかするものではないと思うのだが。

 たぶん、管理AI何だろうけど。

 まぁ、私の目的は【人を食べること】。関係ないことは気にしない。

 次だ。


*****

《狂喜乱舞》

 血が、肉が、臓腑が、狂気が踊り、私を染めてくれる。なんて、喜ばしいことなのだろうか。

種類:■■系

属性:■■

効果:SP消費 常時3秒に1消費する CT 12h

   SPを常時消費することでHPやMP、SP、LUK以外の合計数値を×1.5する。

   自身に《状態異常:狂気I》を付与する。

*****


*****

《状態異常:狂気I》

 万物に宿りし感情を暴走させる状態異常。

 嗚呼、なんて素晴らしいものなのだろうか。だが、まだ足りない。更なる狂気を私に!

効果:自身の持つ狂気によって変化する。(パーティー強制解除は確定)

   リズ様の場合は目に映る人型の生物に対して野獣のように襲い、喰らう(5分間)。

*****


 これは、流石に私でも引くな。

 んで、《状態異常:狂気I》は......デメリットとは言えないな。

 《狂喜乱舞》は使いどころによる。

 《状態異常:体力欠乏》が結構辛いっていう噂があるからな。使わずにいられるならそうでありたいな。


 次はパッシプスキルと称号か。

 また、ヤバい系じゃないといいな。無理だろうけど。

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