徒詩 #8.2

今年も花散らしの雨が降りました


君があの日蹴り散らした桜の樹は

今年は誰にも看取られる事も無く

深緑を纏って静かな夏を待ってる


僕はと云えば日々の煩雑さを以て

うしなったままの穴を埋めようとしてる


――解っているよ

君じゃなければならない事ぐらい


掬った花弁は水と共に流れていく

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