第19話

エピソード19 ___ 梨花と同棲生活始まる


「悠真〜!!!」

ダンジョンの前で梨花が俺に声をかけてくる。


「ごめん、ちょっと待った?」

そう梨花が俺に聞いてくる。


「いや、全然待ってないよ。じゃあ、とりあえず俺の部屋に行こうか。それから、梨花が必要と思った家具を買いに行こうか」

「うん!」

俺と梨花は『トップヒルズ』に向かった。


ガシャん。

『トップヒルズ』の俺の網膜情報を読み取った入り口のドアが開く。


「やっぱり、このマンションすごいね!!網膜認証なんて現実の世界で見たことなかったよ!!」


「うん、そうだよね。俺も最初の頃は梨花みたいに思ってたよ」

俺と梨花は俺の部屋に向かう。


「ここだよ、ちょっと待ってね今、カギを開けるね」

ここでも網膜認証でドアのカギを開ける。


ガチャン。どうやらカギが空いたらしい。


俺はドアを引いて言った。

「あ〜、昨日ある程度片付けたんだけど……、部屋汚いかもしれない」


「まあ、いいよ。とりあえず部屋の中を見せてよ!!」


「うん……、どうぞ」


「おじゃまします!!!」

梨花と俺は部屋の中に入った。


「うわ〜、広いね!」

「うん、けっこう広い部屋もらえたんだ。まあ、もしかしたらこのマンションの部屋の中だと1番小さいかもしれないけど……。」


「そうだとしてもすごいよ!!それに内装がおしゃれだし」


「家具とか生活するのに最低限のものはララクス商事さんが全て用意してくれていたんだ。内装はララクス商事さんがやってくれたからこんなにおしゃれな部屋になったんだ。俺ではこんなにおしゃれな部屋にできないよ。」

俺は首をすくめて梨花にそう言った。


「あはは、確かにそうかも。だって、センスが良すぎるんだもん」


確かにそうだが、そんなストレートに言わなくても………。

まあ、事実なので特には気にしないが。



俺と梨花は俺の部屋を見て回った。

「ここが使ってない部屋だよ」

「う〜〜ん、悠真が言っていたように少しこの部屋ほこりっぽいかも、あとで掃除機かけとくね」


俺と梨花は俺の部屋を全て見終わった。


「う〜ん、だいたい必要なものがわかったよ。じゃあ、家具とかを買いに行こう!」

俺と梨花は梨花が生活するのに必要なものを買いに行った。



「梨花〜、これはどこにおけばいい?」

「あっ、それはそこに置いといて」


俺と梨花は買ってきた家具を部屋に配置する。


「ふう〜、これで全部配置できたね」

「ああ、今日買ったものは全て配置できたよ」

俺と梨花はリビングにあるソファーに座りながらそう話した。


「これからは家事は私に任せてね!」


「うん、頼むよ。」


「いよいよ、同棲か……。なんか緊張してきちゃった。」

「俺もだよ。」

俺がそう答える。


「ダンジョンでは長く一緒にいるのにね〜、なんか緊張しちゃうよ」

梨花はそう言った。


「そうだね」

確かにダンジョンでは緊張せずに梨花といられる。

まあ、ダンジョンにはモンスターの脅威という違う緊張感があるが。


「ねぇ、悠真」


「なに?」


「私は悠真には本当に感謝しているよ。私がダンジョンでゴブリンに襲われている時に助けてくれたこともだし、、私に南門道場を紹介してくれたこともだし、他にもいっぱい感謝してる」

梨花が真剣な表情でそう言ってきた。


「なんだよ、改まって。俺も梨花に感謝してるよ。俺1人だったらこんなに順調にダンジョン攻略はできなかっただろうし。」


「ううん、私が悠真にしてあげれたことなんてほとんどないよ。いつももらってばっかだよ。」


「そんなことないよ、梨花。梨花のおかげで助かってることもあるし、梨花といっしょにいれて楽しいよ。彼女がいたことがない俺が梨花みたいな可愛い女の子と一緒にいれてうれしいしさ」

なんか恥ずかしいことを口走ってしまった気がする。


「ありがとう………。ねぇ悠真、私と付き合ってよ」


「えっ、それは…………、男女の仲になろうってこと?」


「そう、恋人になっててこと」


「えっ、俺は……、いいの?こんな俺でも」


「悠真だからいい!!で、どうなの?」

梨花は大きめの声でそう言った。


「もちろん、いいよ。むしろこっちからお願いするよ」


「ふう〜ん、ありがと。」

俺と梨花は付き合うことになった。

なんか、めっちゃ緊張してきた。


え、え、彼氏になったけどなにすればいいんだろう?

女性と付き合ったことないからわからないよ。

うわー、なんか、うわー。

混乱してきた。


とりあえず、とりあえず、どうしよう?

なにすればいいんだ?うわー、誰か助けて〜。


「あはは、悠真、そんなテンパらなくていいよ。いつも通りで大丈夫だよ」

梨花には俺の心の焦りがバレていた。

心の焦りが表情や態度に出ていたんだろう。


「梨花、俺は付き合ったことないから彼氏としてどうすればいいかわかんないよ」


「あはは、そんなこと気にしなくていいよ。私はこれまでの悠真が好きなんだから、無理になんか頑張ろうとしなくていいよ」


「う〜ん、そんなものなのか……。うん、いつも通りの行動をするよ」


「うん、その方がいいよ。まあ、まだぎこちないけどね」


いつも通りにしようと思っている時点でいつも通りではない。

だって、いつもはいつも通りにしようとなんて考えていないからだ。

こんなことを誰かが言っていた気がするがその通りだ。

俺はいつも通りの状態に戻れない、どこかぎこちない。


「頑張ろうとしないでいいよ」

そう言って、梨花は俺の手を握った。



梨花の手のひらの柔らかさを知り、自分の手のひらの硬さを知る。

梨花の唇の柔らかさを知り、自分の唇の硬さを知る。

梨花の体の柔らかさを知り、自分の体の硬さを知る。


梨花のことを知ることを通して自分のことを知る。


俺と梨花はその日同じベッドで眠った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

おもしろいと思っていただけたなら

応援または⭐︎をつけてもらえると嬉しいです


このぐらいなら、カクヨムの規制に引っかからないですよね

規制に引っかかるようなら修正します

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る