第17話

エピソード17 ___ 梨花、『トップヒルズ』の中に入る


「ふう〜、やっと着いた〜」

俺と梨花は地上に着いた。


「じゃあ、梨花、さっそく魔石とホブゴブリンの槍の査定をしてもらおうか」


「そうだね!!いこう!!」


俺と梨花はサービスカウンターに向かった。

「すいません、アイテムの査定をお願いします」

俺は今日のダンジョン探索で得た魔石とホブゴブリンの槍を査定に出した。


ホブゴブリンの槍は売るつもりはないが、どれくらいの値段がつくか気になったので査定に出した。


「はい、わかりました。では、こちらの番号札を持ってお待ちください。査定が終わりましたら、番号札の番号をアナウンスしますので。」


俺は20番の番号札をもらい、梨花と一緒に査定が終わるまでイスに座って待つことにした。


「ねえ、悠真、今日は打ち上げにいこうよ!!10階層攻略したんだからさ!」

そう梨花が俺に言ってきた。


「そうだね、う〜ん、どこにいく?」


「う〜んと、あっ、あそこがいい。ほら最近できた焼肉屋さん。ここからけっこう近いところにあるところ!!」

俺はスマホを取り出して梨花が言っている焼肉屋を調べた。


「あっ、ここ!」

俺がスマホのマップで焼肉屋を探していると梨花が俺のスマホの画面をタッチした。

俺のスマホの画面が切り替わり、焼肉屋の情報が表示された。


「ここであってる?」


「うん、ここ!!ここにしよう!!」


「じゃあ、ここにするか!どうやってここまで移動する?」

俺が梨花にそう聞く。


「私はいつも通りバスでダンジョンにきてるから、悠真、車出してくれない?」


「わかったよ、梨花の武器とかは俺の車に入れよう」


一般の焼肉屋に槍を持って入店したら店の店員に不審がられるし、入店を断られるかもしれないから武器は車に置いておく。

普通は武器を持った人が店に入ってきたら店員はビビるだろう。


まあ、ダンジョンに近い焼肉屋さんだからそこら辺のことに対しては理解があるかもしれないけど……、念のためだ。


それから、俺と梨花が他のことを話しているとアナウンスがなった。


「番号札20番で『南門道場』様、アイテムの査定が終わりましたので、サービスカウンターまでお越しください。」


「おっ、終わったみたいだな、じゃあ、行こうか」


「うん」


俺と梨花はサービスカウンターに向かった。


「すいません、番号札20番の『南門道場』です。」

俺は番号札をサービスカウンターにいる人に渡しながらそう言った。


「はい、『南門道場』様ですね。これが今回査定に出してもらったアイテムの査定表です。」


俺と梨花は渡された紙を確認する。


買取価格は、ゴブリンの魔石40個で2万円、ホブゴブリンの魔石1個で3万円、ホブゴブリンの槍は200万円だった。


「悠真、ホブゴブリンの槍めっちゃ高いよ!!!やっぱり売らない?ほら、悠真に早く借金返さなきゃだし……」


「いや、これは売らないでおこう。20階層はダンジョン産の武器しか使えなくなる。その時のためにこれは売らない方がいい。それに、借金はすぐに返さなくていいよ。俺はこう見えても金には困ってないから」


「う〜〜ん、そうだね。ホブゴブリンの槍は売らないで使うよ!」


「うん、すいません。魔石は全て売って、ホブゴブリンの槍は売りません。」


「わかりました。では、こちらをお受け取りください。ただいま、ホブゴブリンの槍を持ってきます」

そう言って、店員は5万円を俺に渡して、店の奥に行った。


「お待たせしました。こちらがお預かりしていたホブゴブリンの槍です」


「どうも、ありがとうございます」

梨花はホブゴブリンの槍を受け取り、俺と梨花は焼肉屋に向かうために外に出た。



「あれ、悠真?そっちはダンジョンの駐車場じゃないよ」

梨花は俺にそう言った。


「ああ、俺は最近になってダンジョンに近いマンションに住むようになったから徒歩でダンジョンに来ているんだ。俺の車は俺が住んでいるマンションの駐車場にあるんだ。すぐそこだからすぐに車を持ってくるよ。梨花はここら辺でまってて。」


「そうなんだ!私も悠真について行っていい?」


「ああ、別にいいよ。本当にすぐそこだから」

俺はそう言いい、梨花と一緒に俺が住んでいるマンション『トップヒルズ』に向かう。


「ああ、ここ、ここ。このマンションに最近になって住むようになったんだ。」

俺は『トップヒルズ』を指差しながら梨花にそう言った。


「え〜!!!!!!!!悠真、ここに住んでるの!!」

梨花はとても驚いた表情でそう言った。


「そうだよ、まあ、いろいろあってここに住めるようになったんだ。とりあえず、車を持ってくるよ。」

俺は『トップヒルズ』の地下駐車場に向かう。


「私も、私もいく!!」


「ああ、うん、じゃあ、行こうか」


俺は網膜認証で『トップヒルズ』の扉を開けて、梨花と一緒に地下に向かった。


「ああ、すごいよ!!『トップヒルズ』の中ってこんなふうになってたんだ!!」


梨花はけっこうはしゃいでいる。梨花がこんなにはしゃいでいるのは珍しいな。

まあ、俺も初めて『トップヒルズ』に入った時はめっちゃ興奮した。

最近は慣れてきたけど。


「梨花〜、俺の車はこっちだよ!」

梨花はいろいろなところが気になっているようで注意散漫になっていた。


「うん、ちょっと待って!!もうちょっとこっちの方も見てみたい!」

そうこうして俺と梨花は俺の車についた。


「これが俺の車だよ。ちょっと待ってね。今、車のカギ開けるから」

俺は梨花にそう言い、車のカギを開けた。


「お願いします!!」

梨花はそう言って俺の車に乗った。


「うん、じゃあ、焼肉屋に向かうか」

俺は焼肉屋まで車を運転した。


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