第2話
エピソード2 ___ ダンジョン出現
「えー、ただいま謎の巨大な穴現地の青森から放送しております。謎の巨大な穴が青森に出現しました。地域の住民が不思議に思い、穴の中に入ったところ未知の生物を視認したそうです。日本政府は急ぎ、この穴についての調査をしております。自衛隊員がこの穴の中を調査されているそうです。状況が変わり次第またお知らせします」
テレビからアナウンサーがそう伝えている。
そう、日本にダンジョンが出現したのだ。
ちなみに地域の住民とは俺のことだ。
ダンジョンに入るのは未だに怖いが、浅いところならすぐにダンジョンの出口に逃げられるから勇気を振り絞りダンジョンの中に入った。
いた。
ゴブリンがいた。俺はゴブリンの姿を確認し、すぐにダンジョンの出口に向かった。
俺はダンジョンから出るとすぐに警察に電話した。
俺の電話に出てくれた警察官は俺のいうことを聞いても不審に思うだけだった。
それはそうだ。
「今朝起きたら、近所に巨大な謎の穴が出現してました。中に入ってみると緑色の人型の見たこともない生物がいた。危険かもしれないので調査してください」
これを聞いたら、まともな大人なら俺のことを頭おかしい人だと思うだろ。
俺も逆の立場ならそう思うが、ほかにいいようがなかった。
俺が見た事実を伝えることしかできない。
警察官に電話で謎の巨大な穴の場所を伝えたら、不審に思いながらもちゃんと警察官はきてくれた。
よかった、ちゃんと来てくれて。
俺は警察官を謎の巨大な穴(ダンジョン)の入り口まで案内した。
警察官はとても驚いていた。
「本当に巨大な穴ができていたんだっぺな。少し、おらが調査してくるっぺよ」
「中に見たこともない生物がいたから気をつけてくださいね。」
「はは、何かイノシシとかキツネが迷い込んだんだっぺ。少し薄暗いからあんちゃんが見間違えたんだっぺよ。まあ、いってくら」
警察官は俺が未知の生物を見たことを信じていないようだ。
しばらくすると警察官が慌てて穴からで出てきた。
「こりゃー、まずいっぺ。おらも見たことが生物がいたっぺ。おらはすぐに仲間の警察官に連絡するっぺ。あんちゃん、ここはあぶねえから離れてくれ。」
俺は警察官の指示に従い、ダンジョンの近くから離れた。
それから早かった。
警察官、自衛隊が巨大な穴(ダンジョン)の周りを囲み巨大な穴(ダンジョン)を調査するようになり、その様子が先程のテレビのように流れるようになった。
巨大な穴(ダンジョン)は他国の軍が関わっている可能性があるから自衛隊も巨大な穴(ダンジョン)を調査するようになった。
「えー、巨大な穴についての新しい情報が入りました。巨大な穴が出現した地域の人々に避難指示が日本政府から出ました。未確認生物が穴の中におり、その未確認生物はとても攻撃的なため地域の住民に避難指示を政府が出しました。今のところ、住民に対する被害は出ていない状況です。繰り返します。ただいま日本政府から…………」
俺はすでに避難している。どうやら、自衛隊とモンスターが交戦したのだろう。
まあ、自衛隊は武器を持っているし、戦いに関してはプロだ。
自衛隊には被害は出ないだろう。
「プルルル、プルルル」
俺の携帯が鳴った。
「もしもし、母さん?」
「悠真、あんた、大丈夫なの?青森が大変なことになっているみたいだけど?確か、巨大な穴が見つかったところはあんたの農地の近くじゃなかった?」
母が俺に電話をかけてきた。テレビで今の青森の状況を知ったのだろう。
「大丈夫だよ、母さん。今は避難が済んでるし、自衛隊と警察がちゃんと未確認生物が穴から出てこないか監視してくれているから安心だよ」
「そうなのね、もう避難してたのね。なら、安心だわ。危なかったらすぐに逃げるのよ」
「うん、わかってるよ、じゃあ、要件はそれだけ?」
「そうよ、あんたの安否確認をするために電話かけたの。あんたからも連絡をよこしなさいよ、じゃあね」
「うん、状況が変わったらまた連絡するよ」
ピッ、俺は電話を切った。
ダンジョンが出現してから1ヶ月が経過した。
モンスターはダンジョンの外に決して出て行くことがないと確認されたことによって、ダンジョンの近くに住んでいた住民たちに対する避難指示が解除された。
俺は自分の土地に戻ってきた。
3ヶ月後からダンジョンは民間人でも入ることができるようになった。
多くの国民がダンジョンの民間への解放を日本政府に訴えたから日本政府も解放せざるを得なかった。
ダンジョンに入る前には必ず誓約書を書かなければいけない。
誓約書の内容は簡単に言えば、ダンジョン内で死んでも文句は言いません、という内容だ。
さっそく、何人かの人は青森のダンジョンを見に来ている。
屈強そうないかにも武闘家ですみたいな人もいれば少し太っているアニメのキャラがプリントされているTシャツを着ている人もいる。
まあ、ダンジョンが出現したのなら実際に見にいきたくなるだろう。
こうして、青森には沢山の人が訪れるようになった。
俺が所有している土地の値段がここ一週間で倍近い価値になっている。
青森全体の地価が上昇している。
ハハハ、笑いが止まらんぜ。
資産がすでに倍近くなったのだ。
だが、俺は土地を売らない。
まだまだ、土地の値段は上がっていくからだ。
あー、楽しみだ。
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