ダンジョンはもうかりますよ

農民侍

第1話

エピソード1 ___ 2年前の自分に転生する


俺の名前は工藤悠真。

俺は今から2年後の世界で一度死んだ。


今から半年後に日本の青森県にダンジョンが出現する。

ダンジョンには現代の科学を超えるものや未知の物質などがあり、それらを獲得するために多くの人がダンジョンに押し寄せた。


ダンジョンから得られるものはとても高く売れる。

ダンジョンに行く人たちは『冒険者』と言われるようになり、冒険者たちは弁護士や大企業の社員などをはるかに超える金額を稼いでいた。


そのため、冒険者を目指す人が大量に出て、ダンジョンに行く人がたくさんいた。

冒険者が子供の将来なりたい職業の堂々の一位になっていた。


ダンジョンの出現をある専門家は現代のゴールドラッシュと呼び、一攫千金を狙う人がたくさんダンジョンに挑んでいた。


もちろん、ダンジョンは大変危険な場所でモンスターがいた。


だが、テレビではダンジョンでの死者はあまり取り上げず、いかにダンジョンが素晴らしいか、いかに冒険者という職業は魅力的なのかばかりを放送していた。


そのため、ダンジョンの危険性もろくに知らずに一攫千金を夢見てダンジョンに挑む人が多くいた。

俺もその1人だった。

俺は長い間引きこもりをしていた。

社会人になってブラックなところに勤めてしまい、うつ病になっていた。


そんな引きこもりをしていた俺はテレビを見て、俺もこんなに世間から尊敬されている冒険者になりたいとおもった。

俺は家族に冒険者になると言った。


両親は嬉しそうに俺が冒険者になることを認めてくれた。

家族は俺が引きこもりになっていたことを心配していた。

理由はどうであれ、引きこもりを俺がやめるから嬉しかったんだろう。


俺はさっそく、ダンジョンがある青森県に向かい、ダンジョンに挑戦した。


あっけなく俺はモンスターに殺された。

動物を殺したこともない俺がどうしてモンスターなら倒せると思ってしまったんだろうか。

ちゃんと武器も用意したが、使えなかった。

モンスターに向かって攻撃をできなかった。

生まれてから命のやりとりなどしたこともない。

そんな俺がモンスターを攻撃できるはずもなく、動けずにいた俺はモンスターにあっけなく殺された。



そして、気がついたら2年前の自分に転生していた。

あと半年後に日本の青森県にダンジョンが出現する。




「悠真ちゃん、言われた通りに青森の土地を買っておいたわよ。」

おばあちゃんが俺に言ってくる。


「ありがとう、おばあちゃん。」


引きこもりだった俺は青森で農業をしたいから青森のある場所の土地を買ってくれないかとおばあちゃんに頼んでいた。


おばあちゃんはバブルの時にうまく投資をして大金を得ていた。

そのときのお金の残りをたんまりとおばあちゃんは持っている。

そのお金を使って青森のある場所の土地を買ってくれないかとおばあちゃんに頼んでいた。


「いいのよ、悠真ちゃん。悠真ちゃんが引きこもっていておばあちゃんとっても心配していたのよ。悠真ちゃんが外にでてくれるのならお金は出すわよ」


おばあちゃんに買ってもらった場所は半年後にダンジョンが出現する場所のすぐ近くだ。


半年後、ダンジョンが出現した青森の土地は全体的に値上がりする。

しかも、ダンジョンのすぐそばの土地は恐ろしいほど値上がりしていた。

2倍、3倍では済まないほど土地の値段が跳ね上がっていた。



未来の世界では「モンスターがダンジョンから地上に出てくるのではないか」という懸念があったが、モンスターが決してダンジョンの外に出ることはないことが確認されてから一気に地価が上がった。


青森の田舎の土地がダンジョンが出現したことによって東京の一等地並みになる。


ダンジョンが出現するとさまざまな企業が青森に進出して、青森は東京を超える経済都市になっていた。

いや、東京どころではなくニューヨークを追いこすぐらい勢いだった。

俺はバブルを経験していないが、母や父が言うにはバブル景気すらも超えているらしい。



青森が東京の経済規模を越える時が来るとは誰も予想していなかった。

それほどダンジョンには魅力があったのだ。


そして、青森の地価は爆上がりする。


日本中がダンジョンの出現によって、ものすごい活気付いていたのを俺も肌で感じていた。

未来の日本の熱気はすごかった。



そこでだ!!!

俺はダンジョンが出現する前にそこの土地をいっぱい買っておこうと思い、おばあちゃんに頼んだのだ。


「これで半年後には大金持ちだな!!マジでばあちゃんありがと!!!」


俺はダンジョンの位置を正確に記憶していたのでダンジョンにもっとも近い場所の土地をおばあちゃんに買ってもらった。

そこは周りに何もないただののどかな土地だ。なので安く買うことができた。

青森の田舎の土地は俺の想像以上に安かった。

まあ、ほんとに周りに何もないから当たり前なのかもしれないが……。


ダンジョンが出現した土地は安全確保のために政府がその土地を管理するようになる。土地は強制的に政府に取り上げられる。

まあ、その時の地価に少し色をつけた金額は貰えるらしいが。

まだその時は地価が全く上がっていないからあまり金はもらえなかったはずだ。


つまり、ダンジョンが出現した土地を買っても旨味がない。

なので、ダンジョンが出現した土地は買わず、ダンジョンに接してはいないがダンジョンにもっとも近い土地を購入した。

このギリギリの土地を持っていれば確実に大金持ちになれる!!



半年後がめっちゃ楽しみだぜ。

俺は今回の人生では大金を手にしてみせる。

そして、やりたかったけど出来なかったことを全部やる!!

ダンジョンを利用して儲けてやるぜ!!!!!!




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