MUDDY GLORY 〜泥だらけの栄光 byクマ娘プリティーダービー

 https://novelup.plus/story/807360041

 なにげにヤバいので一部単語を挿げ替えて表記していますw

 AI先生には1話の続きを書いてもらいました。



 …走るのは好きだけどゲートは嫌いだ。狭い空間に押し込められて息が詰まる。網目の格子が動物扱いされている様で更にイライラを募らせる。


 私達は動物じゃない、クマ娘だ。気高く走る地上の宝石だ。


 そう、私達は走る為に生まれてきた。勝つ為に生まれてきた。そしてその力をぶつける最高の場所に今私は立っている。


 福島レース場、今日の第4レース、右回りの芝1600m。8人立ての新バ戦。天気は快晴、バ場状態も走りに適したとても良い物だ。


 それが私のデビュー戦、こんな所で負けているようじゃ応援して送り出してくれた故郷の皆に顔向けできない。


 今日の日の為に必死にトレーニングしてきた。ここは絶対に負けられないレースだ。


 実は私はあまり他人に見られるのが好きでは無い。だからパドックでは必要最小限の顔見せだけして帰ってきた。

 そのせいかどうかは分からないけど、観客の評判はあまり良くなかったらしい。


 それでもレース前の私は3番人気だそうだ。まぁ人気なんてどうでもいい。結果を出せばそんなものは後からいてくるものなのだから。


 ちなみに1番人気は私の隣りのコースにいる黒鹿毛のブラックなんとかって言う名前のスカした女。腰まで伸びた長い黒髪の娘で、お高く止まっているのか私の方にはまるで見向きもしない。

 何となく気に入らない。それだけでこの女にだけは絶対に負けたくないと思えた。


 やがて8人全員のゲートインが完了し、係員が場所を離れていった。管楽器を用いた簡単なファンファーレが鳴り響き、レースの開始を皆に告げる。


 数秒の静寂。更に1秒程の小さく短いブザー音が鳴る。ブザーが鳴り止むと同時に目の前の格子がガッコンという音と共に左右に開く。


 スタートだ!


 一斉に飛び出す体操服姿の8人の少女クマ娘達。

 トレーナーからは「始めは抑えて先頭集団で様子を見ながら最後の直線で勝負に出ろ」との『先行』指示を受けていた。


 でも私は正直他人の尻尾を追い掛けるのは好きでは無い。私は子供の頃からいつも『一等賞』だった。それは常に前へ前へと貪欲なまでに進んできたからだ。


 最初から全力疾走、前に誰も居ない先頭の快感、これを味わえるのは『逃げ』の作戦で走ったクマ娘だけだ。


 私は踏み出す脚に力を込めて一歩ずつ大きく蹴り出した。一歩を踏み出す度に前へと進む私の体は、徐々に他のクマ娘の一団と離れて行った。


 距離はたったの1600mだ。このまま一気にゴールまで駆け抜けてやる。


 指示を聞かなかった事に対してトレーナーは文句を言うだろう。しかしそれも勝ってしまえばどうとでもなる。

 それにどの道、私は初めからあんな負け犬… いや負けクマ娘の指示になど従うつもりは無かったのだから。


 私が先頭のままレースは中盤を迎えた。いちいち後ろを振り返って見たりはしないが、他の娘の息遣いと足音で大体の位置関係は把握している。

 私以外の7人は大体ダンゴ状態で固まっているようだ。


 意図せず自然とペースが上がる。ここでペースを乱してスタミナを浪費するのは良くないと分かっているのだが、少しでもリードを広げておきたい気持ちもとても強い。


 『逃げ』作戦と言えども、レース最後の直線での押し切りの為の余力を残しておく必要がある。それは頭では理解している。


 序盤で集団から抜け出すのに加えて、中盤の焦りから少し力を浪費してしまったが、それでもまだラストスパートのエネルギーくらいは残っている。このまま誰にも抜かせずに私が優勝して、優雅にメイクデビューを飾ってやるんだ!


 第4コーナーを抜けてレースは最後の直線勝負になる。この直線に賭けて『差し』や『追込み』の娘は後方で力を溜めている。

 ここで抜かれてしまっては元も子もない。私も最後の力を振り絞ってラストスパートをかけた。


 その刹那、黒い流星が私の横を猛スピードで通り過ぎる。


 全力疾走している私を後ろから追い抜いて走り去って行った。何と言うスピード、彼女の長い髪が、長い尻尾がそれこそほうき星の様に風にたなびいて、神々しささえも感じられた。


 もちろんこれはレースだ。しかも1着にならないと意味の無い新バ戦だ。2着以下は最下位と同義なのだ。


 私は走った。力の限り。


 これまでの人生でここまで懸命に走った事など無かった。地元ではいつも7割方の力でどんなレースにも勝ててきた。

 でも届かない… 100%の力で走ってもあの黒い流星には届かない。それどころか徐々に差は開いていく。


 走る、離される、走る、離される、頭の中は『勝ちたい! 勝ちたい!』という言葉が念仏の様に繰り返されるが、それ以外の事はとにかく頭が真っ白で何も考えられない。そしてその中で唯一感じた感情は『絶望』だった……。


「む、無理ぃ…」


 無意識に声が出た。気持ちはもっと前に出たいのに、これ以上脚が動かない。今の速度を維持するだけで精一杯だった。


 大きな歓声に迎えられて彼女がゴール板の前を駆け抜ける。大きく(5バ身ほどだろうか?)遅れて私がゴールする… 直前に私の左右を2人のクマ娘がすり抜けて行った。


 私があれだけ逃げてリードを作ったのに、最後の直線であれだけ必死に走ったのに… ふと気が付けば私自身が4着になっていた。


 これが『中央』の層の厚さ……。


 正直デビュー戦なんてこれから始まるトゥインクルレースの前哨戦、勝って当たり前の楽勝ムードで考えていた。

 電光掲示板に着順が表示され、無慈悲な結果が確定された。これは夢でも冗談でも無い。4着、私は負けたのだ……。


 空っぽの頭に観客席正面のターフビジョンから、このレースの実況者の声が響いているのが聞こえてきた。

 それは自分の事なのに、どこか遠い世界の様にも思える物だった……。


「後続を大きく離して1着はブラックリリィ! 下バ評通り桁違いの差し脚を見せつけた!! 2着から4着までは半バ身差の大混戦! 最後まで好走を見せたスズシロナズナは残念ながら4着に沈みました!」


 ───────────────────────────


 ……あぁ、私の名前だ。

 こんなの全然嬉しくない。私の実力はあんなものでは無い。

 私は確かに1番人気だった。

 でも私は勝つ為に頑張っていた訳じゃない。私はただ、故郷の皆の為に走っていただけだ。私は皆を裏切った事になるのか? 私の顔を見たら皆は何と思うのだろう。

 レース場から引き揚げる時、私は泣いた。涙は頬を伝い、地面に落ちた。それは悔しさのせいか、悲しさのせいか、あるいは自分自身に対する怒りの表れなのかは分からないけど、私は泣き続けた。

 そして私は気が付いた時にはトレセン学園の前に立っていた。

 もう引き返せない所まで来てしまった。今更レースを辞めるわけにはいかない。しかし、このままでは故郷に帰る事も出来ないだろう。

 私はこれからどうすれば良いのか…… 途方に暮れて立ち尽くす私に、背後から誰かが声を掛けて来た。

 振り返るとそこには一人のウマ娘がいた。

 背が高く、スタイルが良く、綺麗な黒髪を靡かせたウマ娘。

 そのウマ娘は私の目を真っ直ぐに見つめている。その瞳は吸い込まれそうな程黒く、どこまでも深い。まるで深海の底を覗くような感覚に陥る。

 彼女は私に向かってこう言った。

 ―君、ウチに来るかい? と。

 私がそのウマ娘に連れられて来たのはトレセン学園内にあるトレーナー寮の空き部屋だった。

 部屋の中に入ると、そのトレーナーは荷物を置いてソファーに腰掛けた。

 この人は誰なんだろう。いや、そもそもここは何処なんだ。

 私は辺りを見回した。

 そこは一般的なワンルームマンションの一室という感じで、キッチンとトイレ、お風呂が付いていて、一人暮らしをするには十分な設備が整っている。

 家具は必要最低限しか置いておらず、全体的に殺風景だ。レース関係の雑誌や資料などが本棚に並んでいるが、それを除けばテレビや冷蔵庫といった生活必需品以外特に目立ったものはない。

 そしてその部屋には何故かレース関連のポスターやグッズ等が飾ってあったりして、何とも不思議な空間になっている。

 その部屋の中で、その女性はお茶をいれて私に差し出した。

 とりあえず座って、と言われて向かい合う形で椅子に腰掛ける。

 するとその女性はおもむろに口を開いた。

 君はこの中央でやっていけそうかな? と。

 私は俯きがちに答える。

 分かりません。私は今までずっと地元のレース場で戦ってきました。だから中央に来たのも初めてですし、正直ここがどういう場所かも良く分かっていません。

 そんな私の言葉を聞いて、目の前の女性はクスッと笑った。

 うん、そうだね。いきなり中央に放り込まれたら戸惑うよね。

 でも大丈夫。ここには沢山の仲間がいるし、きっと力になってくれるよ。

 私は首を傾げた。どうしてそこまで自信満々に言えるんですか。

 だって、中央のトレーナーさんでしょう? 私が言うのもなんだけど、中央でやっていくには才能とか色んなものが必要なんですよね? それなら尚更私みたいな凡人じゃ無理ですよ。

 私の言葉を聞くと、その人は少し驚いた顔をしていた。

 あ、ごめんなさい。なんか生意気言っちゃいましたね……。

 私は思わず謝ってしまった。初対面なのに失礼な事を言って怒らせてしまったかもしれない。

 でも、その人は笑顔で答えてくれた。

 あははっ! 面白い子だねぇ。確かに地方から来た新人の子はみんな同じ様な事を言うんだよ。

 だけど安心していい。確かに中央は厳しい世界だ。でも君はまだレースの世界に足を踏み入れたばかり。

 ここで諦めてしまうのは勿体無い。

 それに、中央でレースを走る事だけが全てではない。

 中央はあくまで中央のレースがあるだけだ。君の目指す場所はそこじゃない。違うかい?…… 私が黙っていると、その人が話を続けた。



 ☆ちありや寸評☆

 え? 待って待って…? 俺が敢えて改竄したヤバい単語や、1話には書いてない(そして世界観を知らないと絶対に出てこない)ヤバい単語がなぜか普通に書かれてるんですけどどういうこと???w AI先生はウ〇娘遊んでるの? それともエスパーか何かですか?w


 あ、えっと、お話の方はナズナの性格がブレているとか、福島から東京まで歩いて帰ってきた(!)とかツッコミ所を直せば、地方転向路線とか闇ケイバ路線とか、また新しい展開が見えてくる感じがして良いと思いましたw

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