【完結】ちありや vs ＡＩ 仁義なき戦い！

まじぼらっ！

　https://kakuyomu.jp/works/1177354054906159562

　1話の続きを書いてもらいました。

「やっば～い、入学式早々遅刻だよ～！」

　芹沢（せりざわ）つばめは冷めかけたトーストを口に咥えたまま全速力で家を飛び出した。

　今日は私立瓢箪岳（ひょうたんだけ）高校の入学式。つばめはそこの新1年生だ。

『朝の時間に1秒でも長く寝ていたい』という理由で受験した、家から徒歩10分の距離にある高校だが、それにしても寝すぎてしまった。

　つばめはごく普通の、何の変哲もない女の子だ。

　成績は中の下、顔付きの素材は悪くはない、磨けば光るのかも知れないが今はどうにも垢抜けない。地味か派手かで言うなら思いっきり地味側だ。

　どんなにきつくセットしても、決して圧力や高温に屈する事なく自己主張する、ショートボブヘア頭頂のアホ毛がチャームポイントと言えなくも無い。

　身長も体重も座高も胸囲も腹囲もほぼほぼ平均値、運動能力も大体平均値の成績だ。

　そんな『特徴らしい特徴の無い自分』のアイデンティティに危機感を覚えながらも、つばめは毎日たくましく生きていた。

「もぉー、お母さんがもっとちゃんと起こしてくれればこんなに慌てなくて済んだのにーっ！」

　無実の母親を罵りながらつばめは走る。次の角を曲がれば学校が見えてくるはずだ。

『トーストを咥えながら遅刻しそうになって走っている女の子』

　大昔の少女マンガの定番とも言えるシチュエーションだ。

『角を曲がった瞬間にカッコイイ男の子とぶつかって、そこからなんやかんやで恋が生まれたりするのよねぇ』

　遅刻しそうなのになぜか余裕のあるつばめが、ぼんやりと考えながら角に差し掛かる。

　その時、恋に恋するつばめに待ちに待った運命の出会いが訪れた。

　角を曲がった瞬間に現れたのは、猛スピードで突っ込んでくる、とてもカッコイイ男の子…　の運転する乗用車だった。

『あ、これわたし死んだわ…』

　現代っ子らしいドライな感性で瞬時に状況を分析するつばめ。

『このまま死んだらどうなるのかな？　異世界に転生とかしちゃうのかな？　チートパワーで魔物を倒したり魔王と戦ったりするのかなぁ？　スプラッターは得意じゃ無いからグロくない世界でお願いします。かと言って悪役令嬢で殺されたり追放されたりとかもしたくないなぁ…』

　………………おや？

　のんびり考え事をしてしまったが、それにしては一向に車がぶつかって来ない。死ぬ寸前の走馬灯タイムと言う訳でも無さそうだ。

　身の回りの物が全て停止している。車も、人も、咄嗟に口を開けてしまった為に地面に落ちるはずのトーストも、全てが止まっている。

　そう、全てだ。つばめの体も動かない。いや、首から上だけはかろうじて動かせる。

　周りを見渡しても動いているのはつばめの頭だけだ。

「時を止めたんだよ。おっと、時間が無いから振り向かずにそのまま聞きな。アンタ、瓢箪岳高校の生徒だよね？　このまま轢き殺されたくなかったら、私らの部活に入りな。そうしたら体を動かして助けてやる」

　後ろから女性の声がした。声の感じから20代半ば以降と推測されるが、振り向けないので確認できない。

　そんな事より後ろの女はとんでもない事を持ちかけてきた。命を助ける代償に自分達の部活動に入れと言う。

　何の部活なのかの説明すら無く、命の決断を迫られるつばめ。

　いずれにしても今のつばめに選択肢は無い。話を受けなければほぼ間違いなく命は無い。『転生して異世界に』なんて大きな子供向けのお伽話じゃあるまいし、実際に有りはしないのだから。

　首ももげよとばかりに何度も首肯するつばめ。それを見た後ろの女は満足そうに「ヒザ子！」と声を書けた。

　その声に呼ばれたのか、トンボメガネにお下げ髪の小柄な少女が、不意につばめの横に現れる。

　つばめよりも小柄で一見中学生くらいの体格に見えるが、その煉瓦（れんが）色の服装は紛れも無く瓢箪岳高校の制服だった。

　少女はその細い右手で、止まったままの車のボンネットを上から殴り付ける。

　上から衝撃を受けた車は、前側を下に立ち上がる様に車体が縦になった。

　立ち上がった勢いで自分に向けて倒れこもうとする車体に対して、少女は今打ち込んだ右手の肘を90度に曲げ、杭を打ち込むように車に叩きこむ。

　そのまま体を左側に捻るように曲げると、右の肩甲骨を切っ先として、車に思い切り体当たりをブチかました。

　見る人が見ればとても美しい『鉄山靠（てつざんこう）』だと分かるが、生憎（あいにく）つばめには八極拳の知識は無い。

　単に『小柄な女の子が自動車を素手でふっ飛ばした』という事象だけがつばめの認識の全てだ。

　いや、事実ではなくてこれは夢かも知れない。家からパンを咥えて走ってきた辺りからもう既に夢だったのではないか？

　実はまだ自室のベッドの中で微睡（まどろ）んでいる最中なのではないか？

　等と都合の良い事を考え出した瞬間に時間が再始動した。

　メガネの少女に殴られた乗用車は彼方に吹っ飛び、何処かに当たって爆発四散した。

　車をはじき飛ばした小柄な少女は、つばめにニッコリと笑って嬉しそうに会釈をした。

　そして動けるようになって振り向いたつばめが見たものは、

　青い色をしたコテコテの魔法少女ルックに身を包んだ、歳の頃三十路と思しき美しい女性だった……。

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　続きます。

　次回：#01 魔法少女と入部届け（仮）

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　目の前に現れたのは、歳は30代前半と思われる女性だった。髪の色と目の色は共に青み掛かった灰色で、瞳は大きく切れ長だ。肌は白い方だが不健康な白さではない。鼻筋は高く唇も薄い。スッと通った輪郭の顔立ちは美しく整っており、どちらかと言えば美人系と言えるだろう。

　しかし彼女の表情は暗く沈んでおり、全体的に覇気の無い印象を受ける。

　着ている服はいわゆる魔女装束と呼ばれる類のもので、スカート丈が異様に短く、体のラインが良く見える。胸元が大きく開き背中も露出している為、目のやり場に困ってしまうほど扇情的だ。

　頭頂部からは一対の角が伸びており、悪魔を思わせる姿形をしている。

　彼女が動くたびにフワリと揺れる長い黒髪は、まるで水面に映った月影のように妖しく煌めく。

　彼女は無言のまま、こちらをじっと見つめてくる。

　いや、よく見ると何か言いたい事があるようなのだが、どうも口下手らしく言葉が出てこないようだ。

　この沈黙に耐えられなくなったのか、メガネの少女の方が先に話しかけて来た。

　彼女の名前はヒザ子さんと言うらしい。つばめはこの時初めて、自分が名乗っていない事に気づいた。

　命を助けられた上に、自分の名前すら告げていない。命の恩人に対してあまりにも失礼な態度だ。

　焦って謝罪しようとした矢先に、今度はそのヒザ子から話し掛けられる。

　内容はつばめにとって意外過ぎるものだった。

　彼女達は、自分達の所属する部活に勧誘したいと言うのだ。

　それはつばめにとっても願ったり叶ったりの申し出だったが、ここで少し問題が発生する。

　部の名前は"マジカル・ガールズ☆"。

　その名を聞いた瞬間に、つばめは嫌な予感がしてならない。

　そもそも魔法少女とか魔法と付く時点で怪しさ満点なのに、そこに女子を付ける意味は何なのか？ いや、それよりも何よりも、そのネーミングセンスのダサさが致命的に酷い。

　少なくともつばめは、こんな名前を恥ずかしげもなく大声で叫ぶのは、絶対にイヤだった。

　そんなつばめの気持ちを察してか、ヒザ子はつばめにこう言った。

　──別に断っても構わないけど、その場合はアンタの命は無いよ？ と。

　もちろんつばめに選択の余地など無い。命を助ける代わりに、怪しい部活動に入る以外の選択肢は与えられなかった。

　こうしてつばめの瓢箪岳高校生活は、前途多難なスタートを切る事になった。

　ヒザ子に連れられてやって来たのは、学校の裏手にある林の中に建つ木造の小屋だった。

　小屋の入口には看板が掛かっている。そこには【秘密結社 乙女の会】と書かれていた。

　つばめはここに至ってようやく理解した。

　これは恐らく、所謂（いわゆる）魔法少女アニメに出てくる悪役のアジト的なアレなのではないかと。

　確かにその建物は、アニメに出て来る悪の秘密基地っぽい雰囲気が有る。有ったが…………。

　つばめの予想に反して、中に入るとそこは普通の教室だった。

　室内には長机と椅子が整然と並び、壁際にはホワイトボードが設置されている。

　床の中央には大きな正方体型の水晶玉が置かれていて、その周囲に円を描くように十二本の蝋燭（ろうそく）が立っている。

　正面の壁には、巨大な魔法陣が描かれた垂れ幕が掲げられていた。

　そして部屋の奥には、校長室にありそうな執務机が置いてあり、その上には黒いシルクハットをかぶった小太りのオッサンが座っていた。

　オッサンはつばめ達の姿を見ると、ニカッと笑って声を掛けてきた。

　どうやら歓迎されているようだ。

　つばめは、先程の車とのバトルを見られた以上、もはや逃げる事は出来ないと判断して、観念した。

　諦めたと言ってもいい。

　それならばせめて、目の前の胡散臭（うさんくさ）いオッサンから、詳しい話だけでも聞いておこうと思った。

　まずはこの世界の事を知らなくてはならない。

　ここは一体どこで、自分は何故ここに居るのか。そしてこれから何をさせられる事になるのか。

　疑問だらけで頭の整理が追いつかないが、ひとまずは情報収集だ。

　つばめが挨拶をして自己紹介をする。続いてヒザ子が、そして最後に何故かヒザ子の胸ポケットから、ひょっこりと顔を出したネコが、それぞれ順番に名乗りを上げた。

　オジさんの名前は、天魔 明彦。

　自称魔法少女達の顧問であり、この学校の理事長でもあるらしい。

　ちなみにこの学校は表向きは宗教系の私立校という事になっているそうだ。

　また、この学校では、部活動への参加が義務付けられているらしい。活動内容は、生徒達が自主的に決めた事であれば、基本的に何でもOKだと言う。

　但し、あまり過激な内容については、生徒会や風紀委員会に報告する必要があるので注意するようにと言われた。

　しかし、その辺りの裁量は基本的には部長であるヒザ子に一任されており、部員同士で話し合って決める分に関しては問題ないそうだ。

　つばめは、自分の名前がフルネームではなく下の名前しか名乗らなかった事に少し違和感を覚えた。

　だが、それ以上に気になる事が有り、つい質問してしまった。

　──ところで、あの、どうして私の名前をご存じなんですか？ そう、つばめは自分の名前を名乗っていないのだ。

　なのに、まるで以前から知っていたかのように、目の前のオジさんは自分を知っている。しかも、つばめの知らない情報をたくさん知っている。

　どう考えてもおかしい。

　──それはね、キミが私の作品だからだよ。

　と、オッさんは言う。

　どうやらこの人は、自分の作品を愛してやまない変態さんらしい。

　ヒザ子も言っていたが、この世界は、いわゆるオタクと呼ばれる人種が創った物語の世界らしい。

　つまりこのオッさんも、その仲間なのだと言う。

　その証拠として、ヒザ子はこのオッさんの事を、先生と呼んでいた。

　さらにヒザ子から聞いた話では、この学校の生徒達は、皆、何かしらの特殊な能力を持っていると言うのだ。

　つばめはその言葉を聞いて、少しだけワクワクする気持ちになった。

　もし本当にそんな力があるのなら、是非とも使ってみたい。

　でも、その前に確認しておかなければならない事がある。

　それは、自分が元居た場所に帰る方法についてだ。

　つばめのその問いに、ヒザ子とヒザ子の胸ポケットに収まっている猫が答える。

　──それは無理だねぇ。

　──帰れるとしても、今はまだ早いよ。

　──だってまだ何もしてないし。

　──それに帰りたいって言っても、もう戻れないと思うよ？ ──さっきの事故で死んじゃってるもの。

　──まぁ、アンタが死ぬ直前で助けたのはアタシだけどね！ と、ヒザ子はドヤ顔で言う。

　どうやらヒザ子に助けられた事で、つばめは死んだことになっているようだ。

　ヒザ子の言葉から察すると、この世界には既につばめの両親は居ないようだし、そもそも元の世界での両親の顔すら思い出せない。

　家族と過ごした記憶は有るのだが、どんな顔をしていたのか、そもそも両親が何という名前だったのか、全く覚えていない。

　ただ、それでも……。

（お父さんとお母さんに会いたかったな……）

　つばめの心の中には、親に会えない寂しさと悲しみが残った。

　その心の隙間を埋めようと、つばめは無意識のうちにヒザ子の頭を撫でていた。

　ヒザ子の髪はとてもフワフワで、触っていて気持ちが良い。

　その感触を楽しんでいると、ヒザ子が言った。

　──そんな事より、まずは部活の話をしようか。

　その言葉で、つばめの意識は現実に引き戻される。

　そうだ、今は目の前の問題を片付けよう。

　まずは、この謎の秘密結社の活動内容を知る必要がある。

　ヒザ子が説明を始める。

　秘密結社乙女の会とは、その名の通り女性だけの秘密結社で、表向きには普通の女子校という事になっているらしい。

　活動内容は、魔法少女としての活動が主になるようだ。

　そして、魔法少女活動の他にも、生徒達による自主的な活動や、外部の人達との交流などもあるらしい。

　そして、ここに所属している生徒達は、みんなそれぞれ何らかの能力を使えるようになるのだという。

　ただし、能力の種類やレベルはそれぞれ違っているらしく、中には使いこなせなくて困っている人もいるそうだ。

　そこで、顧問である天魔理事長に相談したところ、放課後の空き教室を使って相談に乗ってくれる事になったのだと言う。

　そして、つばめは、ここで初めて自分の能力についての説明を受けた。

　ヒザ子の胸ポケットに収まっていたネコが、つばめの頭の上に移動して来て、その肩の上に乗った。

　そしてネコは、活動内容は、魔法少女としての活動が主になるようだ。

　そして、魔法少女活動の他にも、生徒達による自主的な活動や、外部の人達との交流などもあるらしい。

　そして、ここに所属している生徒達は、みんなそれぞれ何らかの能力を使えるようになるのだという。

　ただし、能力の種類やレベルはそれぞれ違っているらしく、中には使いこなせなくて困っている人もいるそうだ。

　そこで、顧問である天魔理事長に相談したところ、放課後の空き教室を使って相談に乗ってくれる事になったのだと言う。

　そして、つばめは、ここで初めて自分の能力についての説明を受けた。

　ヒザ子の胸ポケットに収まっていたネコが、つばめの頭の上に移動して来て、その肩の上に乗った。

　そしてネコは、自分の前足を器用に動かして、空中に文字を書き始めた。

　【名前】猫島 小雪（ねこじま こゆき）

【年齢】15歳（自称）" これが私の能力。

　──と、書かれている。

　ちなみに、この能力というのは、個人が持つ固有の特殊能力の事らしい。

　その能力は人によって千差万別で、同じものは二つと無いそうだ。

　ちなみに、この能力というのが、先程ヒザ子から教えてもらった魔法少女の魔法のような物だという。

☆ちありや寸評☆

盛ってくるなぁ…　なぜか久子が魔法熟女になってるし…w　しかしあまり設定も文体も違和感が無いですねぇ。元の文章に寄せるように指示しておいてはいたけど、正直ここまで出来るとは思わなかった。今回はAIの利発さに脱帽ですわw