おヨネさん
黒幕横丁
おヨネさんのはなし
――ねぇ、知ってる? おヨネさんのはなし。
「え、何々? 怖いヤツ?」
そうなの、ここら辺には【おヨネさん】っていうのが出るらしいのよ。おヨネさんっていうのは、年齢88歳の米寿らしくて、○○団地の端にある小ぢんまりとした一軒家で暮らしてるらしいよ。
「……やけにおヨネさんのプロフィール詳しいね。米寿だから、おヨネさんか」
でね、夜な夜な走ってるらしいの。
「ジェットババァとかそんな都市伝説の類なの?」
いや、団地にある公園をジョギングしているの。
「それは、普通にジョギングしているだけなんじゃない?」
それが速いらしいの、何人も周辺でジョギングしていた人を抜いていたって。
「おヨネさん、きっとアスリートか何かなんじゃないの?」
あと、まだおヨネさんの怖い話あるの。先輩の知り合いがおヨネさんに怖い目にあったらしいのよ。
「え? 何々、聴かせて!」
えっとね、○○団地近くの公園で夜遅くに数人と仲間と騒いでたんだって、そうしたら、いきなり物干し竿を持った人影がその騒いでいる人たちの方へ向かってきて、『おんめぇら! こんな時間になんしょっとか! こんな時間に喚くんじゃない』って物干し竿ぶん回してたらしいよ。
「こわっ。いや、確かに怖いけど、それは夜中に騒いでた集団も悪いような気がするんだけど、もうそのおヨネさんについて怖い話ないの?」
んー、それくらいかなぁ。怖い話っていうと。もう一つあるけど、別に怖くないからなぁ。
「なになに? その話聴きたい」
そのおヨネさんの住んでいるお家、昔火事で焼けちゃって更地にしてるのに、気がつくとお家がニョキって生えるらしいんだけど、コレってあまり怖くないからなぁ。
「え、十分に怖いでしょっ!!!!」
おヨネさん 黒幕横丁 @kuromaku125
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます