第13話 女神への憎しみ
ガヨクが恨みを持つのは女神の存在だ。
その女神に育てられたアイも、恨みの対象になる。
女神はその力を利用して平等な世界を壊している。
だれもが自由に生きられる世界
それを阻害する存在は、許してはいけない。
シヨク=ガヨクは
「女神は敵だ、もちろんそれを肯定するアイも敵だ」
怒気を含んで叫ぶ。
「テロリストの理屈だな」
孤独王が冷静に答える
「こいつを、どうする」
獣人のタイガーが彼をどう料理するか楽しそうにしている。
私は
「まってください、ガヨクさんこの箱を売ってどうしたかったのですか」
ガヨクは私を見ながら「お前も女神になるのか?」
と問いかけてきた。
「まだ女神が何なのかわかりませんが、誰かを助けられる力があれば
役立つようにします」
ガヨクが答える
「ならお前も敵だな、いいか女神は人間を越える力を持つ」
「悪用する奴も当然出るだろう、女神同士が連携をして対応しているか?」
「みな野放しだ、あいつらは危険な存在だ」
ガヨクが興奮して、私の質問に答える気もない。
確かに女神は人間以上の力を持つだろう、たまには失敗する場合もある
だが基本は「普通の人間」にしか感じない
女神だから「間違わない」は、私には理解できなかった。
もし間違う事を恐れるなら、普通の人間も同様と思う。
でも自分が女神の力を持つから擁護しているようにも感じる。
「もういい、お前は鬼の箱を売る事で
混乱した街の責任を、女神のせいにするのだろう?」
孤独王は、ガヨクの考えを言い訳としか思ってないと、感じている。
ガヨクは否定をしない、「女神が存在するからだ、罰だよ」
アイは「自分だけが正しいと言いたいのか」
彼はこの状況に激しい怒りを感じている、
クァシンが呪われ、善良な街の人達は水害に怯え、古道具屋の店主は
鬼に殺された。
「もう言いたい事は無いな?」
アイが殺意を発すると同時に、孤独王も武器を構える。
「落ち着いて!」大声を出すつもりは無いが、大音響が古道具屋に響く
天井のガラスも割れて落ちる。
びっくりした私は座り込んだ。
古道具屋の様々な売り物が散乱し、ガヨクは逃げたのだろうか姿は消えていた。
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