第14話 奈落への道

甲虫族の刑事が古道具屋の店主の死体を調べている。

硬質な体は、見た目はロボットのようにも見えた。

「ガヨクが鬼の箱を盗んで、そして鬼が街を襲っている最中ですか」

孤独王が現場検証につきあっている。


冒険者のアイが、「南にある奈落の穴への地図を探そう」

私は「でも店主さんが死んでしまって、勝手に触るのは良くないと思う」

古道具屋の店の中は、物が散乱して探すだけでも時間はかかる

それに、長くここに居れば街への被害も増える。


「地図はあきらめて出発しましょう」

甲虫族の刑事は、「後はこちらでガヨクの確保に乗り出します」

街の警察にまかせて、急ぐように旅立つ事にした。


南の穴を抜けるために『森』と『二川』をぬけるか、

東よりの集落をぬける方法もある。

しかし人家のある所を通ると、鬼が襲うだろう。


「森を抜けた先に神社があるので、そこまで行くか」

獣人のタイガーは、森は詳しいので道案内を頼む。

奈落までの距離は途中で休んで、一日で往復できるか微妙な距離だ。


手早く食事を済ますと、南に向かって街を出る。

「食料とか無くて大丈夫ですか?タイガーさん」

「まぁうさぎでも、野鳥でも捕れるから腹減って死ぬ事は無いよ」

タイガーがうさぎの話をすると、アイは自分のペットの事を

思い出したのか嫌な顔をしている。


「アイさん、うさぎさんは?」

アイは大樹の根元に家を所有していて、ペットも飼っていた。

「もう居ないよ、俺が大人になる頃には寿命だったよ」

アイの服はまだやぶれたままだ、傷は治っている

どう治したのかは、思い出せない。


「ガヨクさんは、なんであんなに恨んでいるのかしら」

そこまで強い信念を持つ理由が知りたい。

アイが

「あいつは一回、女神に敗れている」

「居城も無くした」

それで恨みがあるのかだろうか。


平原を進むと前方に森が見えてくる。

「ヒサギ、上を見ろ」タイガーが空を指している

大きな鳥がこちらに向かってきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る