第7話 女神の神託

クァシンを船から降ろすとアイが背負った。

冒険者のアイから見れば、クァシンはまだ子供だ。

体力もあるので軽々と歩く。


それでも、巨大樹までは遠い。

この遠い道のりをアイは町まで歩くのだろう。

足腰が強くなるわけだ


「アイ、まだ歩ける?」

彼が疲れているならば、孤独王さんに頼もうと考えていた

「まったく平気だ、このまま走ってもいいくらいだ」

アイも焦ってるように見えた


「ならば先に行け、ヒサギと後から行く」

孤独王が告げる

元から彼は、だらだらと歩いていた

「ヒサギ、先に行くよ」

彼は早足で大樹に向かう。


「孤独王さんは、女神様と知り合いなの?」

私も顔は見た記憶があるが、よくは知らない

女神は世界の管理をしているらしい、しか判らない。


「俺が知っているのは、女神の美しさかな」

どうやら彼も職務の内容に興味は無いみたい。


ヒサギは、大樹の元に到着すると入り口を探す

「こっちだ」孤独王が指をさして歩き出す


大樹の扉は解放されている、一階の大広間には管理側の人達だろうか

何人かいるが、私たちには興味を示さない。

孤独王は勝手に入り女神の間に向かっているようだ

急いで追いかけた。


中に入ると、クァシン達が居た。

女神がこちらを見ると「この子は回復させるわ」


「女神様、クァシンは治りますか?」

女神は私をじろじろみると、アイの顔を見た

「この娘は誰なの」


「クァシンの恋人です」

私はちょっとびっくりしたが、訂正はしなかった

ただそんな実感もないし、彼とはそんな関係で

お付き合いはしていない、もじもじと黙っていると

「あんたが、鬼の封印の箱を持ってるみたいね」

女神が鋭く聞いてくる


「はい、クァシンからあずかっています」

開けた箱は彼が閉じて保管していたのだが

呪いは解放されたままの状態だ。


女神様に会うためにこの箱も必要と考えて持参した。

「名前は?」

「ヒサギです」


ため息をつきながら、

「あなたがこれを持ち歩いても、呪われていない」

「それは、女神と同じ資格を所持している事になる」

女神は私を直視しながら

「ヒサギ、あんたは女神候補よ」

と告げられた。


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