第5話 アイの提案

クァシンに会いに、高台まで登る。

高台から見ると、町は半分くらい水没をしていた。

「堤防を修理しないと」

「男は集まれ」

アイはそれを見ながら

「クァシンをどこに避難させるかな」


私は、「ワールドザワールドの女神に、助けを求めたら?」

女神は、この地域の管理をまかされている

言動は、ほぼ人間なので能力がある人類と考えた方が良さそうだ。


アイは少し考えて

「彼女は気まぐれだからなぁ、きちんと保護してくれるだろうか」

彼は女神を信用をしていない。


「呪いが発生しているし、鬼も出現をしているわ」

説得してみるが、気乗りはしていない。

アイが

「どうやって運ぼう?」

確かに川が氾濫している状態で、渡し船は出ない。


「川船を借りれば良い」

横から提案してきた男が居た。

「私は孤独王だ」


孤独王と名乗る男は町の有名人だ、宿を持っていない

なぜか王と名乗るが、その日暮らしで生きている。

町の人は、そんな彼に食料を与えている。

助け合い精神なのだろう。


アイとも仲は良い方だ。

「川船があるのかい」

「いま私の寝ている船を使えば良い」

なるほど船で寝泊まりしているらしい

どこから調達したかは聞かない。


アイと孤独王とで大八車で船まで運ぶ事にする

おじいさんとおばあさんは、足腰の問題もあるので

町に残って貰う


孤独王が洪水の町に船で出迎えてくれる

「クァシン、気分はどう?」

彼はうなずくくらいで声が出ない。

「女神様に会いに行くからね、頑張って」

励ましながら、私も女神のところに行く事にした。


孤独王は

「船には大八車は乗せられないぞ」

アイは考えると

「悪いが孤独王君も、女神のところまで来てくれ」

と頼んだ


「ああかまわんぞ、女神の顔をたまには見たいからな」

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