第19話城塞都市ビクトリア

 「…なぁ、誰かあんなスキル聞いた事あるか?」


 「ないな。」「ないです。」「ない。」


 「…なあ、クロード今何歳なんだ?見た感じだと12,3歳の人族ってとこだがエルフとかじゃないよな?」


 「違いますよ、正真正銘人族の12歳ですよ」


何か可笑しなところでもありますか?という感じで答えたクロードに対してアンガスが


 「いや普通の12歳にはデスグリズリーなんか倒せないからな?それもあんなにアッサリと。しかもあんな巨体を収納出来るスキルなんて…」


 「そんなものなんでしょうか?比較対象がいなかったのでわかりませんが…」


 「あー、まあいいや。ところでクロードは何処から来たんだ?この辺りの出身じゃないんだろ?」


 「そうですね、生まれはアルカナ領になります。」


 「アルカナって言うと公爵様の治めている領地か?まだ行った事がないが良い所らしいな?」


 「そうですね。凄く良い所だと思いますよ。」


(なんかウチの領地が良く言われると嬉しいな。父上達が褒められてるみたいで)


 「しかしアルカナからここはかなり離れているのになんでわざわざこっちで登録するんだ?」


 「いえ、たいした理由ではないのですが最近まで死の森に居ましたので1番近くにあるビクトリアに行こうかと思いまして。」


 「……スマン、クロード。最近まで何処に居たって?」


 「死の森です。ここからそんなに離れてはいないですよね。」


 「いやいやいや、たしかに距離的にはそんなに離れてないけど彼処は普通誰も近付かないぞ。」


 「そうですよ。先程のデスグリズリーでさえC級なんですよ?死の森は最低ランクがBのはずですよ?上はS級かそれ以上がいると云われている。」


 「そうですね。たしかにそうでしたよ。上は僕が出会ったのはZ級までなのでそれ以上はわかりませんが。」


 「…Z級?そんなのお伽噺の世界でしか聞いた事ないぞ?そんなの誰にもどうしようもないぞ」 


 「そうですね。たしかに最初は僕も全く相手になりませんでしたかからね。」


 「…クロード君、その言い方だと今はどうにかなる様に聞こえるのですが?」


 「ハイ、今ではたいした相手にはならないです。」


 「…すまないクロード。本当はこんな事マナー違反なんだがステータス見せてもらってもいいか?」


 「何を言ってるんですか、アンガス。ステータスなんて簡単に見せて言い訳ないでしょう?」


 「…別にかまいませんよ。」


そしてクロードは加護だけは隠蔽してステータスを見せたのだった。

理由として冒険者登録の際にステータスはチェックされる事を知っていたので加護以外はバレても気にしない様にしていた。


 「「「「∞?闘級∞って何?人間?」」」」


何か失礼な事が聞こえた様な気がしたが


 「そうですね、EXを超えたらそうなってました。」


 「…え…クロード本当に冒険者になるの?こんなの化け物過ぎて世界征服とかに乗り出すレベルな気がするんだけど?」


 「しませんよ。興味ないですし。アッ、それよりアレがビクトリアじゃないですか?」


 「…そうか、興味ないか…まぁクロードが良いならそれでいいか。オゥ、そうだぞアレが城塞都市ビクトリアだ。ビクトリアへようこそクロード。」


 「これが城塞都市ビクトリア。初めて訪れる他の町か。楽しみだな。」


 「それじゃあ入場手続きは俺達がするから一緒に来てくれ。」


こうして新たな出会いとともにクロードの新天地での生活が始まろうとしていた

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